ドローンの運用基準が盛り込まれた改正航空法が昨年の12月に施行されてから、既に4件の書類送検が行われていました。
これは報道されているものですので実際にはもう少しあるのかもしれませんが・・・。
既にご存知とは思いますが空港周辺や人口集中地区では承認が必要です。
既に報道されたドローンの書類送検事例
2015年12月10日 香川県高松市内で高校の卒業アルバム用に学校の全景を撮影するためにドローンを使用
2016年1月2日 京都市中京区の住宅街で夜景を撮影するためにドローンを飛行。目撃した通行人が110番
2016年2月2日 東京・品川区南大井2丁目の住宅密集地で建設中のマンションの広告写真撮影の為に飛行
2016年3月30日 京都御苑敷地内で桜を撮影するためにドローンを飛行。皇宮警護官に見つかる
いずれの場合も撮影が目的となっています。
フォトグラファーにとってはドローンの運用を守ることが非常に大事だと再認識させられます。
2月に南大井でドローンを飛ばしたカメラマンは一度は国に申請し許可をもらい撮影したものの再度別の日に撮影する必要性があり許可が降りる前に飛ばしてしまい書類送検されてしまったようです。
「許可の延長申請を出していたので問題ないと思っていた」との発言が記事になっていました。いささか厳しすぎるような気もしますが施行されたばかりですからかなり厳しく取り締まられている感じがしますね。
ただ1月2日に夜景撮影するためにドローンを撮影した男性(35才)は違法と分かっていたにも関わらず法施行後に6回も撮影していたようで、検察に対し警察が起訴を強く求める「厳重処分」の意見をつけたようです。
違法と知りながら何度も撮影した場合には送検後に起訴される可能性も高そうです。
しっかりと法を順守しドローンでの撮影を行うことが当然ながら必要ですね。
空港周辺や人口集中地区では無い場所でも以下の様な行為は承認が必要になります。
ここでドローン運用に関して書く必要性は無いと思いますが、法理解の為に必要な情報に関してLINKをご紹介しておきます。
・無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール 国交省HP
・無人航空機に係る規制の運用における解釈について(PDF)国土交通省航空局
・人口集中地区の範囲地図 国土地理院
上のリンク先の地図は航空法第132条で規定する無人航空機の飛行禁止空域のうち、航空法施行規則第236条第1号に掲げる空域(空港等の周辺空域)の投影面下となる場所を表示しています。
非常に分かりやすいQ&Aもあります。
これを読むと疑問がかなり解消されます。
・無人航空機(ドローン、ラジコン等)の飛行に関するQ&A 以下の様な内容が書かれています。
- 「無人航空機」の定義について
- 飛行の許可等が必要な場合について
<飛行禁止空域について>
- 航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがある空域
- 人家密集地域の上空
<飛行の方法について>
- 日中における飛行について
- 目視による常時監視について
- 人又は物件との距離について
- 催し上空における飛行について
- 危険物の輸送禁止について
- 物件投下の禁止について
- 捜索、救助のための特例について
- 罰則について
○許可・承認の手続き
- 申請方法について
- 申請書記載事項について
- 許可等の手続きについて
- 許可等に係る基本的な基準について
- 飛行形態に応じた追加基準について
ドローンを使用した撮影は危険と隣り合わせの行為であることを認識しつつ、承認されずにドローンを飛行させた場合には起訴される可能性がある重大な犯罪行為との認識を再確認させられる昨今の書類送検事例でした。
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