デジタルカメラで撮影している時に発生するピントが合わないトラブルに対処するための12の方法について紹介していきます。
ピントが合わないという現象は初心者から上級者まで、様々な人が経験するものです。
レンズの問題だけでなく、カメラの設定や撮影条件になど様々な要因によって起こることがあります。
最初はレンズ、カメラが悪いのでは?と思っているかも知れませんね。ただレンズの故障やレンズの描写を疑う前に以下の点を確認してみて下さい。
もしかしたらレンズの問題では無いかも知れません。
以下の項目を確認しても問題ないようであればサービスセンターへ持ち込むことも視野に入れる必要があるかも知れませんが、とりあえず以下の点を一読して試してみてくださいね。
ピンぼけ画像やピントのズレ、ピントに関する問題を考えて書いたら12のケースになりました。
ひとつひとつ簡潔に原因と対処法をまとめて見ましたので、何かのお役に立てれば幸いです
AFモードがマニュアルモードになっている
オートフォーカスが動かないよ~。という状況下。よく見るとレンズやカメラのAF設定がマニュアルフォーカスになっていたなんて場合が意外と多いものです。
慌てずにオートフォーカスモードに戻しましょう。なぜマニュアルフォーカスになってしまったのか後で検証することが大事です。原因の多くはカメラ鞄に入れた時だったりします。もしくはカメラを鞄から出した時。何かの拍子に勝手にダイヤルが動いてしまうことが多いもの。
それ以外にも動く要因は人それぞれの使い方によってあるかと思います。同じことが発生しないように原因を突き止めて対処することが大事ですね。
私はダイヤルが動かないようにパーマセルテープを貼ることがあります。こうすることによりゼロではありませんが、動くことは少なくなります。ただ過信は禁物。同じ状況に陥ったときには再度ダイヤルを確認することが大事です。
電池の残量が無い
撮影しようとカメラを向けたところ、ピントが合わずシャッターが切れないというトラブルに遭遇したことがありませんか?このような状況に陥ると、撮影したかったシーンを逃してしまう恐れがあります。そんな時、実は電池切れが原因であることも少なくありません。特に、カメラをたまにしか使わない方は、電池残量が少ないまま使い始めてしまい、数枚写真を撮った途端に電池が切れてしまうこともあります。
プロのカメラマンであれば、撮影前にバッテリーの残量を確認することがクセになっているかもしれませんが、たまにしか使わない方は忘れてしまうこともあるかもしれません。そこで、カメラを使う前に必ず電池残量メーターをチェックし、十分な電池が残っていることを確認するようにしましょう。また、予備電池を持っていくことも大切です。予備電池があれば、電池切れによる撮影の途中でのトラブルを回避できます。慌てず、予備電池があることを確認して、スムーズな撮影を心がけましょう。
カメラとレンズの接点異常
カメラとレンズの接点がしっかり接触していないと、シャッターが切れなかったりオートフォーカスが動かなくなったりすることがあります。この現象に遭遇することが私は結構あります。もしシャッターが切れないなどの現象に遭遇した場合には、まずこの接点問題を疑ってみることが重要です。
接点問題の対策方法は、大抵はレンズを一度軽く外して装着し直すことで解決できます。この現象が発生する原因のひとつは、”レンズ取り外しボタン”を何かの拍子に押してしまうことです。また、ハッキリとした原因は分かりませんが、レンズとボディーの電子接点をエタノールで磨くことで、症状が改善することがあります。
このように、カメラを使う際には、接点問題にも注意が必要です。シャッターが切れないなどのトラブルに遭遇した場合は、接点問題を疑って、まずはレンズの取り外しや接点の清掃を行うことをお勧めします。また、この現象を防ぐためには、レンズ取り外しボタンを誤って押さないように気を付けることも重要です。
レンズまたはカメラ内部の電子機器故障
レンズまたはカメラ内部の電子機器故障が原因で、ピントが合わなくなることがあります。この現象は多種多様で、具体的な事例を全て挙げることはできません。たとえば、ピントがある焦点距離だけで合わなくなったり、カメラの設定ボタンを押しても動かなかったり、撮影画像に明らかな異常が発生していたりと様々な現象が考えられます。
こうした現象が発生した場合、現場での対応は不可能ですので、サブカメラに持ち替えて撮影するしかありません。メインカメラが簡易的な対処で復旧しなければ、サブカメラをメインに置き換えて撮影する判断力が重要です。サブカメラを常に用意しておくことが、緊急時の対応力を高めるためには欠かせません。
ただし、サブカメラにも同様の故障が起こる可能性があります。そのため、カメラを使用する前に点検とメンテナンスを行うことが大切です。また、現場でのトラブルを最小限に抑えるために、予備のレンズやバッテリー、メディアカードを持ち歩くようにすることもおすすめです。撮影の際には、常に万全の準備を整えることが必要です。
視度調節ダイヤルが動いている
カメラには、ファインダーを通して撮影対象物を確認する際の補助機能として視度調節ダイヤルという機能があります。メガネの役割と同じで近眼などの場合でもファインダー像がよく見えるようにすることが可能です。
しかし、このダイヤルが動いてしまうと、実際にはピントが合っているのに、ファインダーを通して見たときにピントが合っていないように感じることがあります。度数があっていないメガネを付けた状態に似ています。
このような場合、撮影した画像を確認すると、ピントがしっかりと合っていることが多いため、視度調節ダイヤルが原因であることが疑われます。
撮影現場でファインダーを覗いて撮影対象物にピントを合わせようとした際にピントが合っていないことに気づいてパニックになることがあります。また、カメラを借りた場合や貸した場合にも起こり得ます。借りたカメラの視度調節ダイヤルが動いている場合や、自分が貸したカメラの視度調節ダイヤルが動いていた場合、この現象が起きやすくなります。
このような現象を回避するためには、事前にチェックすることが大切です。カメラの取り扱い説明書を読み、視度調節ダイヤルがどのような機能であるかを理解しておくことが必要です。また、カメラを借りる場合には、視度調節ダイヤルが動いていないかを確認し、カメラを貸す場合には、視度調節ダイヤルが固定されていることを確認することが望ましいです。
レンズの異常
ズームレンズをズーミングしようとしたら、引っかかってレンズが伸びないとか、絞りを22などに絞って撮影しているのに全然絞れていない(開放値でさつえいされてしまう)などなど。レンズ本体の故障のケース。
これは現場で対応するのは難しいですね。
ただ異常現象の内容によっては緊急避難テクニックもあります。
私の実体験で言うと、レンズのピント位置が最短の時と無限遠位置の場合だけピントがあわなくなったことがありますが、そのピント位置を避けて撮影することで逃げました。反対に現場対応できなかったのはレンズが一枚外れてしまった時。
この時はさすがにマニュアルフォーカスにしてもピントは合わないので別レンズに付け替えて撮影しました。
オートフォーカスが苦手としている被写体に向けている
オートフォーカスが苦手とする被写体というのがあります。コントラストが全くない平面などです。こういった被写体にピントを合わせようとしてもカメラが迷ってしまい、なかなかピントが合わない状況に陥ってしまいます。例えば、青空のような平面的な被写体や単色の平面な壁などが挙げられます。
オートフォーカスが苦手とする被写体は、カメラの説明書で事前に確認することが大切です。しかし、実際に被写体を撮影する際には、つい忘れてしまったり(あるいは知らなかったり)して、ピントが合わないことに慌ててしまうことがあります。
ビギナーの方にとっては、どのような被写体がオートフォーカスが苦手とするかを全て知ることは難しいです。そこで、まずはカメラに慣れ親しむことが大切です。カメラを使って実際に撮影を行い、経験値を上げることで、オートフォーカスが苦手とする被写体を実体験で学び体得できます。
オートフォーカスが苦手な被写体に関しては、同距離にありそうな他のポイントでピントを合わせるかマニュアルフォーカスを使うことで、正確なピント調整ができる場合もあります。
被写体が近すぎる
ピントが合わない原因は色々書きましたが、レンズの最短撮影距離よりも被写体との距離が近くてピントが合わないというケースもあります。要するに近すぎてピントが合わないということです。
レンズごとに最短撮影距離というものがあって、それよりも距離が近いものにはピントが合いません。これはレンズの性能ですので事前に確認しておくことで回避できます。
風景写真などを中心に写真撮影している方は遠くにピントを合わせることが多いので意識していないかも知れませんが、レンズによっては最短撮影距離が結構遠いものもあります。あともう一つの落とし穴もあります。
望遠レンズの場合はフォーカスの駆動域を狭くすることによって合焦スピードのロスをなくす為のリミッターが付いているものがありますが、このリミッターを設定していることを忘れているときや設定が動いてしまっている時などはプロであっても一瞬ドキっとします。
原因がすぐにリミッターだと分かれば問題なのですが、焦っていると分からなくなってしまします。常に撮影前にレンズの設定も確認することが大事です。
レンズが曇っている
撮影した写真が何となくソフトファーカスっぽくなっている。または、画面の一部分だけボケて写ってしまう。な~んて時にはレンズの曇りを疑ったほうが良いかもしれません。レンズの前玉を指で触ってしまうと油が付いてしまって指がついた部分だけがピンぼけ画像になってしまいます。レンズの汚れは大敵ですのでご注意を。
またレンズが曇っているとピントも合いにくくなります。悪いことだらけなのでレンズペーパーなのでレンズを拭くことで解決しましょう。ただレンズを拭いても解決しないレンズの曇りも存在します。
それはレンズ内部の曇り。
曇りやすい条件はいくつかあるのですが、冷えた場所から暖かい場所へレンズを移動させた時に発生しやすくなります。特に暖かい場所の湿度が高い場合などは顕著です。
冷たい氷水をグラスに入れて暖房の効いた暖かい部屋の中に入れるとグラスの外側に水滴が付きます。これと同じ現象がレンズでも発生します。
寒い冬に外で撮影をして、その後、すぐに部屋の中での撮影などになった場合には非常に危険です。
内部が一度曇ると全ての曇りを取るには時間を要します。ご注意下さい。
対象物にフォーカスポイントが合っていない
写真を撮影したけどピントが後ろの風景にあっている。なんて場合にはこのケースが考えられます。最近のデジカメは高機能化が進んで、ピントを合焦させる場所をいくつも選べるようになっています。
ファインダーを覗くと四角いポイントが何個もあるのが分かると思います。これら一つ一つを選択してフォーカシング出来るようになっています。通常は真中の四角に合わせるように設定している方が多いのではないかと思います。2人並んで撮影した時に、ファインダーの中心部が奥の風景だったりすると、後ろの景色にピントが合ってしまうことがあります。プロではありえない話ですが、ビギナーさんには良くある話。この四角形はフォーカスポイントと言って、ピント合わせに使うものですので、ビギナーの方で使い方が分からない方は説明書をよく読んで理解しておいてください。
マクロレンズを使っている
ピントを合わせて撮影しても出来上がった写真を見ると何となくピントがずれている。マクロレンズを使って撮影していると、そんなケースに出会うことが多かったりします。最初に断っておくと、マクロレンズを使っているからと言ってオートフォーカスでピントが合わないと言うことではありません。マクロレンズを使うとオートフォーカスすることが難しくなります。
マクロレンズでは、ほんの数ミリの違いでもピントがズレてしまうのでオートフォーカスに頼るよりは手動でマニュアルフォーカスしてあげることが大事です。また、花などを撮影する場合には風が吹くと花が動くのでシャッターを切った瞬間にはピントを合わせた時とは位置がズレてしまっているなんてこともあります。
もちろんオートフォーカスでもOKなんですが、もしもオートフォーカスで上手く行かない場合はマニュアルフォーカスを試して見ましょう。
マニュアルフォーカスで重要なのは、細かいピント合わせはレンズと対象物との距離を動かすことによってピントを調整します。要するにカメラのピントリングでは無く、カメラ本体を前後に動かすことによってピントを合わせるわけです。この方法ですとピントリングを回して合わせるよりも、より精度の高いピント合わせが出来るようになります。
実は手ブレ
ちょっと恥ずかしい原因ですが、これが結構ビギナーには多いんですよ。ピントが合わない!!!と叫んでいるので良く見てみると手ブレだったという話。私も何度も相談にこられたことがあります。ピントが合っていないのと手ブレとの見分け方は、手ブレに関しては画面上のどこにもピントがきてない!
反対にピントがあっていないだけであれば、画面上のどこかにピントがきている事があるんです。
望遠レンズを使うときは特に手ブレは気をつけましょう!
1/焦点距離。これ以上のシャッタースピードで切ると手ブレがおきにくいというのは昔から言われています。
つまり200mmの望遠レンズを使って撮影する場合には1/200秒よりも早いシャッタースピードで切るようにするんです。これは個人差がありますから絶対と言うことではありませんが、参考にすると良いかと思います。
シャッタースピードを早くする。可能であれば三脚を使う。この2点で手ブレは軽減されますよ。
以上12のケースを事例として書いてみました。
まだまだ色々なケースがあるかも知れませんが、新しく思いついたら追加していこうと思います。
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