DIPSが新しくなってリリース
ドローンを飛行させる上で必ず使用するドローン情報基盤システムであるDIPSやFISS、DRSですが令和4年11月7日に各種システムが統一され新システムとしてのドローン情報基盤システム2.0(DIPS2.0)がリリースされました。スマートフォンでも使えるように改善されたとのこと。実際には使いにくい部分もあるようですが、それは最後に書きます。
https://www.mlit.go.jp/koku/content/001443274.pdf
- ドローン情報基盤システム(飛行許可申請機能)=DIPS(通称:旧DIPS1.0)
- ドローン情報基盤システム(飛行情報共有機能)=FISS
- ドローン情報基盤システム(登録機能)=DRS
この3つのシステムのうち、特にFISSは地図が表示されなかったりして非常に不評でした。FISSが使えなくてヘルプデスクへ何度電話したことか・・・。ヘルプデスクも繋がりにくいですが。
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【ドローン情報基盤システム :通称 DIPS2.0】
残念ながら公開当日の11月7日はメンテナンス状態でしたが、8日にログインすることが出来ました。
DIPS2.0のTOP画面
ログイン後の画面は以下のキャプチャ画像になります。
12月5日よりドローン情報基盤システム2.0との表記が表示されました。
公開当初はFISSに該当するものが見当たりませんでしたが、現在は飛行計画の通報・確認が出来るようになりました。
過去のDIPSにあった所有機体の譲渡手続きなども移行されています。これらはトップページには無く、「無人航空機の登録手続き」をクリックすることで表示されます。リンク先は旧DIPSの画面と同じですから全てが新しくなった訳ではなさそうです。
今後完全移行に向けて整備されていくのかなぁと思います。
ドローン登録システムに当たる部分に関しても色々と項目が少ないですね。今後の展開に期待して待ちたいと思います。
飛行許可・承認の新規申請は簡易カテゴリー判定からはじまる
飛行許可・承認の新規申請ボタンをクリックすると、今までは無かった簡易カテゴリー判定の設問画面に切り替わります。ここで申請しようとしている飛行がカテゴリーⅢ、Ⅱ、Ⅰのどれに相当するのか判別されます。
この設問に全て回答するとカテゴリー表示がされ、飛行許可・承認の申請に進むことが可能となります。
簡易カテゴリー判定の設問内容
無人航空機の飛行登録にあたって、最初に行われる簡易カテゴリー判定の設問内容は以下のようになっています。現時点での設問ですから、今後変更となる可能性もありますが、現時点での設問を参考に載せておきます。
- ● 飛行禁止空域での飛行有無の確認(航空法第132条の85第1項関係)
-
飛行を予定している空域について、以下のうち当てはまるものがあれば、チェックを入れてください。
□空港等周辺
□地表・水面から150m以上の高さの空域
□人・家屋の密集地域の上空 - ● 飛行の方法の確認(航空法第132条の86第2項関係)
-
飛行の方法について、以下のうち当てはまるものがあれば、チェックを入れてください。
□夜間飛行
□目視外飛行
□人・家屋等から30m未満
□催し場所上空
□物件投下
□危険物輸送 - ● 飛行リスクの緩和措置の確認
-
立入管理措置を講じますか?
□はい □いいえ
□補助者を配置する。
□立入禁止区画を設定する。
□立入管理区画を設定する。
□立入管理区画を設定する(レベル3飛行)。
□その他対策を講じる。
30m以下の係留索による係留飛行を行いますか?
□はい □いいえ - ● 飛行させる機体および操縦者(飛行させる者)の確認
-
飛行させる機体は全て第二種機体認証以上を有している、かつ操縦者(飛行させる者)は全員二等無人航空機操縦士以上の技能証明を受けていますか。
□はい □いいえ - ● 飛行させる機体の最大離陸重量の確認
-
飛行させる機体は全て最大離陸重量25kg未満ですか?
□はい □いいえ
設問にすべて回答すると、その飛行がどのカテゴリーに相当するのかが表示されるようになっています。カテゴリーⅢと表示された際のキャプチャ画面です。
この後、飛行許可・承認申請へと進むことができます。
DIPSに添付できるファイルサイズやファイル拡張子
DIPSで飛行の申請をする際にファイルを添付することがありますが、容量オーバーで受け付けられないことが多々あります。
なので、ここでファイルサイズ容量についてメモとして書いておこうと思います。
今後サイズ変更があるかも知れませんが、現時点でのDIPS2.0での添付ファイル上限や拡張子になります。
システム操作について添付するファイルなどにサイズの上限
- 機体の 仕様が 分かる 資料( 設計図又は写真):2MB
- 操縦装置の設計図又は写真:2MB
- 取扱説明書:30MB
- 技能認証証明書:1MB
- 機体追加基準適合入力資料及び写真等:2MB
- リスク 評価ガイドラインに基づき 作成した 飛行マニュアル:10MB
- 使用する 飛行マニュアル(その 他):500kB
- その他添付ファイル:10MB
参考:https://www.uafp.dips.mlit.go.jp/contents/req-appl/preview/DIPS-FPA_FAQ.pdf
システム操作について使用できるファイルの種類(拡張子)
- 機体の 仕様が 分かる 資料( 設計図又は写真)、 操縦装置の設計図又は写真
- jpg、jpeg、png、gif
- 取扱説明書、技能認証証明書、機体追加基準適合入力資料及び写真等 、使用する飛行マニュアル、その他
- xls、xlsx、doc、docx、pdf、jpg、jpeg、png、gif
参考:https://www.uafp.dips.mlit.go.jp/contents/req-appl/preview/DIPS-FPA_FAQ.pdf
なぜDIPS2.0に統合されたのか
パブリックコメント(意見公募) でもドローン情報基盤システムは、使いにくいとの意見がとても多く上がっていました。
なにしろ、ドローンの登録と飛行許可と飛行共有情報が全部違うシステムになっていますから、色々と面倒ですし分かりにくい。
スマートフォンでは使いにくいし、飛行共有情報のFISSでは地図が全然表示されずに飛行範囲を描くことができないことも。
色々と何とかならないのか!との声が大きかったですね。
そこでドローン情報基盤システム2.0<通称:DIPS2.0>と呼ばれるシステムが開発され、やっと公開されました。このシステムはDIPS、FISS、DRSが統一されるとともに、新制度で追加される技能認証、機体認証、型式認証も、このシステムを通じて行えるとのこと。
それぞれ違うIDとパスワードで入っていたシステムも、登録システムのIDとPWで各種申請が出来ると書かれています。
12月5日にDIPS2.0へ全面移行
国交省が公開したシステム移行スケジュールのポンチ絵によれば、11月7日より現行のシステムと並行運用され2022年12月5日をもって、全面移行しました。
移行期間ではFISSが統合されていなかったり、登録作業が全て行えなかったりしていますが、12月上旬には全ての機能がDIPS2.0へ移行されたようです。
DIPS2.0はスマートフォンにも対応
パブリックコメント(意見公募) で上がっていたドローン情報基盤システムの使いにくさですが、以下のようなものでした。
- 【意見概要】DIPSや飛行情報共有システムは使いづらく作業が進まないことがある。DIPSでは、情報を修正しても反映されず削除もできないことがある。飛行情報共有機能も、操作性を高め簡単に作図できるようにしてほしい。またスマホでの操作がより簡単に出来るようにしてほしい。
- 【回答概要】現在開発中のDIPS(飛行計画通報機能)では、スマートフォンでの使用を考慮し、操作性やパフォーマンスの観点からも改善を行っている。
次期DIPS2.0ではついにスマートフォンでもDIPSやFISSがストレス無く使えるようになる!と期待していましたが、ネット上の声を読むと、そうでもなさそうで・・・。
ですが、実際にiPhoneでサイト表示させて見ましたがトップ画面はスマートフォンに最適化された見え方になっています。最後までスムーズにスマートフォンで作業できるのか、飛行計画もスマートフォンで問題無くストレスなく登録できるのか。ここが肝なのでは?と思っています。
使い勝手が悪くネットでは酷評
準備に準備を重ねて公開されたと思われるDIPS2.0ですが、ネット上では使いにくい、分かりにくい、というコメントが多数見られます。スマートフォンに対応したようですが、実際にスマートフォンで飛行計画を登録しようと思ったら、あまりに使いにくくて結局PCで登録したという声も。
今後の課題として順次アップデートしていくことを願うばかりです。
同一地点で飛行計画を登録できない仕様は変更してもらいたい
特に飛行計画の登録に関しては私も疑問をもっています。
同時刻に他の方が先に飛行計画を提出している範囲は、飛行計画が登録できない仕様のようです。(2022年12月下旬に若干の修正が加えられ、若干の重複であれば登録できるようになったようです。)
重複している飛行の場合登録できない仕様だと、以前のように現地で他のドローン操縦者と調整して同一範囲を飛ばすということが、そもそも出来ませんね。同一の場所では1申請分しか飛行計画を受け付けてくれませんから。
その点についての国交省の回答は以下
既登録の飛行計画と空域及び時間帯が重複する飛行計画の登録が必要となる場合、飛行エリアの重複登録時に表示されるメールアドレス宛てご連絡いただき、飛行計画の調整をお願いします。
中略
上記内容を踏まえ、やむを得ない理由によりDIPS2.0での飛行計画通報が難しい場合においては、航空局ホームページ※から飛行計画通報に使用するExcelデータをダウンロードのうえ、必要事項を記載いただき、当局へメールにて提出してください。
【お知らせ】【飛行計画】飛行計画通報における空域及び飛行時間帯の登録について 2022/12/09 :DIPS2.0
※https://www.mlit.go.jp/koku/operation.html
今まではFISSで飛行計画を提出していました。その際にも飛行範囲が重なっていた場合、その飛行計画を出している方のメールアドレスが表示されていました。
私は、その表示されるメールアドレスに調整をお願いしたい旨のメールを何度も送ったことがありますが、返信のメールがあったことは1度もありません。
中にはメールアドレスが既に使われていなかったケースもあります。
こういった実際の状況を理解していないのだと思います。
また、現場では天候の変化も考えて時間を多くとって計画を登録することが多いと思います。他の方と調整するにしても、天候を考えると、そう簡単に時間の調整をしてもらえるとは限りません。
実際に現場で調整する方が圧倒的に現実的です。
空撮の際に現場で他のドローン操縦者と重なることは今までもありましたが、その際には飛ばす場所をお互いに決めて調整したり、同一の飛行範囲である場合には、順番に飛行させるなどして対応してきました。
そういったことが新システムのDIPS2.0では認められないのでしょうか?
やむを得ない理由で飛行計画が出せない場合はエクセルで国交省へ送ることになっています。ただこのエクセル提出方法で複数の申請が同一の場所で行われた場合、実際にいくつの計画が予定されているのか地図上では確認ができません。
エクセルで計画は出しているものの飛行計画の地図上で確認できなければ、現場でトラブルが増えるだけだと思います。
この仕様は、考え直して頂けることを切に願います。
エクセルで飛行計画を報告(通報)する方法
エクセルで飛行計画を申請する方法は以前のFISSの時代にもありました。
DIPS2.0以前は何のためにエクセルで申請を行ったかといえば、停電やシステムエラーによりFISSが確認できない、もしくは飛行登録ができない時にエクセルでの申請を行っていました。
現在でも停電やシステムエラーの際にはエクセルで報告することとなっています。
また加えて、DIPS2.0では同一の地域で複数の飛行計画を登録できないため、飛行がバッティングした際にもエクセルで飛行計画を登録することが可能となっています。
最初に国交省の飛行計画の通報・飛行日誌の作成サイトで「無人航空機に係る飛行予定情報報告」のエクセルファイルをダウンロードします。
開くと2022年12現在、以下のようなエクセルが開きます。
必要項目を入力します。
項目に関しては以下のようになっています。
- 氏名
- 所属
- 緊急連絡先電話番号
- メールアドレス
- 製造者
- 名称
- 登録記号
- 飛行日
- 飛行時間(開始時間~終了時間)
- 目的地及び目的地(離着陸場所)
- 飛行高度
- 立入管理措置の有無及びその内容
- 保険契約の有無及びその内容
- 飛行予定情報の報告理由
- 飛行情報共有システムで飛行経路に係る他の無人航空機の飛行予定の情報を確認した日付
- 他の無人航空機の飛行予定との調整結果
必要項目を入力後、国土交通省航空局安全部課無人機安全課宛にExcelデータを添付しメールを送ります。
メールの送信先はダウンロードしたExcel内に記入されています。
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