ストロボのディフューザー効果を可視化してデジタルカメラでの撮影方法を解説
ストロボ撮影に慣れてくると、やってみたくなるのがディフューズです。
ストロボの直接の光を拡散させて光を柔らかくする目的が主で使われる技法ですね。
ストロボ光が直接あたっている状態は光がだと、光の質が硬くなります。
そして後ろの影はシャープに出ます。
その光の質を柔らかくするのがディフューズ。
一番分かりやすい例えは「雲」です。
快晴の状態での影はハッキリしていますが、雲がある日の影はボヤけた感じになるか、影が出ませんよね。
それと同じ状態を人工的に作るわけです。ダイレクト光とディフューズ光の違いの一例
ダイレクト光(ディフューズなし)の特徴
1.影が後ろに強く出る
2.コントラストが強過ぎる
3.周りが暗くなる
ディフューズ光の特徴
1.不自然な影がぼやけて目立たなくなる
2.全体のトーンが柔らかく自然な感じになる
3.周辺部も明るくなる
上の写真はストロボの光をアクリル板でディフューズしている状態です。
アクリル板によって光が拡散していることが分かります。
反対にアクリル版がない状態では、
左下の様な状況になります。
壁の中心だけが明るく照らされています。反対に右のようにディフューズした状態では光の芯が無くなり壁全体が均等に明るくなっているのが分かります。
もっと具体的な状況で見てみようと思います。
下の2枚の写真は対象物の缶を置いての撮影です。
1枚目はディフューズ無しの状態。
2枚目はディフューズ有りの状態です。ディフューズ無し
ディフューズあり
影も柔らかくなり全体に明るくなるのがディフューズ光
1枚目のストロボ光はスポットライトのように一部分を照らしていますが、2枚目のストロボ光は拡散されて床面も背面も全体的に明るくなっています。
そして缶の後ろに伸びる影にも違いが見て取れます。
1枚目のディフューズ無しの場合では缶の後ろの影がシャープに後ろに伸びているのが分かりますが、2枚目のディフューズ有りの場合だと缶の後ろに伸びる影がボケているのが分かります。
これは光が拡散したことによってこのような違いが出てきます。
それでは別の角度から撮影した写真でさらに影の出方を比べてみようと思います。
正面から見た場合です。
1枚目はディフューズ無しの状態。
2枚目はディフューズ有りの状態です。
今度は背面に出来ている影を比べてみてください。
ディフューズ無しの状態では缶の形がハッキリと分かる影が出来ていますよね。
反対に2枚目のディフューズ有りの状態ですと影は出来ていますがボケていて缶だとわかりませんし影の出来方が弱くなっています。
こういった効果が出るのがディフューズの特徴です。
ディフューズの効果の出方は様々で、ディフューズするものの質によってもストロボからの距離によっても変わってきます。
ディフューズ効果と似た効果が出せるのがバウンス撮影です。
ディフューズ撮影と違うのはバウンス撮影は光を何かに反射させて拡散させます。
バウンス撮影に関しては
「ストロボのバウンス撮影による光の違い」をご参考にしてみてください。
ディフューズ撮影にしろバウンス撮影にしろ注意しなければならないのは、光量が格段に減るので露出に気をつける必要があります。
被写体に対して直接あたっているストレート光に比べてディフューズ光とバウンス光は、光を一旦拡散させてから被写体にあたっているので光のエネルギーが直接被写体にあたる場合よりも弱くなっています。
上の写真では絞りの値も明記しておきましたが、ストレート光に比べてディフューズ光の場合では2段ほど絞りを開けています。
ただ、光の量がどの程度減るかはその時の状況によって変化してきますので、注意が必要です。
簡単にディフューズ出来る道具としてはストロボのヘッド部分に直接取り付ける簡易型のディフューザーが売られています。
下に代表的なもののリンクは貼っておきますが、ご自分でも簡単に見つけられるでしょうから色々と探してみてください。ディフューズすると影がぼやけて目立たなくなる
光のトーンが柔らかくなり比較的自然な感じになる
光が拡散されるため周辺部も明るくなる
光が弱くなるので露出には気をつける
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