ストロボ・フラッシュのガイドナンバーとは何なのか
今回はストロボのガイドナンバーについて書いていこうと思います。
ガイドナンバーとは「GN」とも表記されます。
フラッシュ(ストロボ)の発光量を表すものとしてガイドナンバーが使われます。ガイドナンバーの数値が大きければ大きいほど光が強くなります。
なのでガイドナンバーが大きいほど、絞りを絞ることが可能だったり低ISO感度の撮影が可能になったり、より遠くの被写体を適正な露出で撮影することができたりします。
キヤノンでもニコンでもソニーでもストロボのスペックをみると必ずガイドナンバーが表記されていますよね。
ただ注意点としてガイドナンバーの数字だけで各社のストロボの光の強さは比べられないということ。ガイドナンバーは光を照射する角度などによって変化してしまうので、同じ条件下でのガイドナンバーを比べないと比較できないんです。
そのあたりの説明は若干字数が必要なので別の記事を書きました。下のリンク記事を参考にして下さい。
ストロボの基本
写真撮影に慣れてくると、挑戦したいのがストロボを使った撮影だと思います。フィルム時代はストロボがどのように影響するのかわからず使うのは素人では難しかったのがストロボ。
しかしながらデジタルカメラになってから効果がわかりやすくなりハードルが一気に下がりました。
ただそれでもストロボって瞬間の光だから使うのが難しくて挫折している人も多いですよね。
でも、ストロボの基本を押さえておけば難しいことはありません。
数回に渡ってストロボの基本的な考え方をご紹介します。
まず最初はとても簡単な解説から。
ストロボの光の強さに関することにしましょう。
ストロボの光の強さはGN(ガイドナンバー)で表される
聞き慣れない言葉ですが、ストロボの光の強さはガイドナンバーという言葉で表されます。
例えば、NikonのSB-900というストロボのガイドナンバーは36と表記されています。
このガイドナンバーはストロボの照射角度によっても変化してくるのですが、そのあたりの解説は上で紹介した別エントリーに書いております。
ここでは、ストロボの光はガイドナンバーという言葉で表現されるとだけ覚えて下さいね。
で、そのガイドナンバーですが、以下の式で求めることが可能です。
ガイドナンバーの計算式 (GN)=ストロボの到達距離(m)×絞り値(F値)
式:ガイドナンバー(GN)=ストロボの到達距離(m)×絞り値(F値)
※この計算式はISO感度が100の時になります
つまり
1、ガイドナンバー30というストロボがあると仮定する。
2、絞り値が「F1」というレンズがあると仮定する。
この時にはストロボの到達距離は30mになります。
実際には、絞り値が1のレンズなんてお持ちでは無いでしょうから現実的なレベルに話を置き換えると、ISO感度が100のときに、ガイドナンバーが12のフラッシュを使うと、絞り値をF4にしたときは、3mの距離で撮影すると適正露出になります。
式:ガイドナンバー12÷絞り値4=到達距離3m
何となくガイドナンバーという物を理解できたでしょうか?
でも、こういった数字的なことを覚えるよりも下の写真を使って視覚的に覚えてみてください。
実際にガイドナンバーを変化させて撮影してみる
強い光は遠くまで照らす
ストロボの強さによって光がどう変化するのか見ていこうと思います。
撮影条件は以下の通りになります。
- 被写体となる飲料缶の位置はストロボから2mの位置で固定
- ストロボの強さはGN40からGN5まで段階的に下げる
- 絞り値はf20で固定
ガイドナンバー40
最初に撮影したのは被写体から2mの位置でストロボのGNを40にして撮影。
計算上はこれが適正露出になります。
40(GN)=2(距離)×20(絞り)
という式になります。ちょうどストロボの光が到達する距離に缶があることになります。そのため適正露出で撮影できています。ではガイドナンバーを少しずつ落としていくとどうなるでしょうか。
ガイドナンバー30
ガイドナンバー20
ガイドナンバー10
ガイドナンバー5
ストロボの光が弱くなるに従って、光の白い帯が短くなっていくのがよく分かると思います。
そして、同じ絞り値で撮影している缶の写真も比例して暗くなっています。
ガイドナンバーを強くすれば遠くにある被写体も明るくすることが分かります。
反対にガイドナンバーを弱くすると同じ場所にある被写体は暗くなります。
では、小さいガイドナンバーで缶を明るくする方はどうすれば良いと思いますか?
ストロボを使って適正露出で撮影するためのポイント
ストロボ光の強さと絞り値が連動することを覚えておく
まず関係性を式を見て覚えておきましょう。
式:ガイドナンバー(GN)=ストロボの到達距離(m)×絞り値(F値)
先程の作例写真ですが、ガイドナンバー4でストロボを発光させたら絞り値はいくつにすれば良いでしょうか。
計算すると「絞り値はF2」になります。
4=2×2という式になりますね。
f2で撮影するとストロボのGNが4で、ちょうど缶まで光が届くことになります。
実際に計算する必要はありません。だってガイドナンバーが表示されるストロボなんて無いですから。ストロボと絞り値の関係性を覚えておくだけでOKです。
絞りを開けるとストロボ光は遠くまで届く
ガイドナンバーを4まで小さくしても、絞りをF22ではなく、F2へ開けることによってストロボ光の到達距離が同じく2mになりました。この理解がとても大切ですね。
絞りを開けるとストロボの光は遠くまで届くんです。それを理解するために念のために式で考えてみましょう。
・ガイドナンバー40=ストロボの到達距離2m×絞り値F20
・ガイドナンバー 4=ストロボの到達距離2m×絞り値F2
ちょっとだけ難しい話になってしまったかも知れませんが、この関係性を覚えておくと、グッと撮影が楽しくなります。
ISO感度を上げてもストロボの到達距離は伸びます
いままでは計算が分かりやすいように全てISO感度は100で考えていました。
ISO感度を上げることにより、ストロボ光の到達距離は伸びていきます。ISO200ではISO100よりも光の届く距離が伸びます。
ただシャッタースピードは到達距離には影響しません。
影響するのは絞り値とISO感度です。これを理解しておくとストロボ光を調節しやすくなります。
まとめ
ストロボ関連記事はこちら
-
ストロボ撮影
スピードライト(ストロボ)の使い方 バウンスや光を柔らかくする方法
-
ストロボ撮影
ストロボのガイドナンバーとは? 光の届く距離が変化します
-
ストロボ撮影
ストロボの光をディフューズした効果を可視化。使い方を覚えよう!
-
ストロボ撮影
プロの必需品。ストロボの色温度を変化させるためのフィルター!作り方のご紹介
-
ストロボ
Nikonスピードライト SB-5000を使用したレビュー 他のストロボと比較したメリット・デメリット
-
ストロボ撮影
CanonとNikonのガイドナンバー表記の違い!ストロボ選びの目安
-
ストロボ
連続発光テストで驚きの結果が!爆速チャージスピードのNikonスピードライトSB-5000
-
ストロボ撮影
ストロボでバウンス撮影する意味は?設定や角度、注意点などを解説
コメント