CanonとNikonのガイドナンバー表記の違い!ストロボ選びの目安

VS

昨日に引き続き今回もストロボの話を復活させます。
今日はガイドナンバーの解説から一歩進んで照射角度の話にしてみようと思います。

その話をするのに、一番分かりやすい例がCanonとNikonのガイドナンバー表記の違いだと思います。

え?なにそれ?と思う方もいると思います。
確かにニコンとキヤノンの両方のストロボを持っていないと気が付きませんよね~^^;

実はニコンとキヤノンは同じ強さのストロボだとしてもガイドナンバーの表記数値がが違うんです。

例えば下の例
・Nikon SB-900のガイドナンバーは34
・Canon 580EX2のガイドナンバーは58

この数値だけ見てCanonのストロボのほうが強いんだ!な~んて簡単に思っちゃダメダメ(笑)

この数値だけ見るとストロボ光が強いのは58のCanon 580EX2ってことになりますよね。
でも、そういう簡単な話では実は無いんです。

実はこの数値には一種のトリックがあって、同じ土俵で戦える数字では無いんです。
そのトリックが今回解説するストロボの照射角度です。

もくじ

ガイドナンバー(GN)は照射角度によって変化する

ストロボの光はレンズの焦点距離(24mmとか200mm)の違いによる画角(写る範囲の広さ)に合わせて照射角度が変化するようになっています。
ズームレンズを使用している時、レンズをズームさせるとストロボがジージー動いているのに気がついたことありますか?
あれって、レンズの焦点距離に合わせてストロボの照射角を動かしているんですね。

懐中電灯でも先の方をクルクル回すと広い範囲を照らせたり、スポット光に変化したりするものがありますよね。
あれと要するに同じことがストロボでも行われています。

ガイドナンバーについては以下の先日の記事を参考にしてくださいね。

下の写真を見てください。
左下はストロボの照射角度を最大に開いた状態で発光させた瞬間を撮影したものです。
右下は広角レンズを使ってカメラの先に置いた缶を撮影したものです。(左のストロボの照射角度と同じです)

比較写真はストロボの強さは同じ。照射角でコレだけ違う

カメラの設定も全て同じ設定にして撮影しています。
変化しているのは照射角度だけです。

このストロボの照射角度を徐々にズームしていくとどうなるでしょうか?
続きの画像を御覧ください。

懐中電灯などでスポット光やワイド光などを操作したことがある方はよく理解できるかも知れません。
ストロボの照射角度を狭めて行くに従って、中心部の明かりが強くなりますよね。
つまり、ワイド側とズーム側ではストロボ光の届く距離が変化します。

照射角が違うからガイドナンバー表記に差が出る

最初に書いたようにNikonとCanonのストロボではガイドナンバーに大きな違いがあります。

ニコンストロボとキヤノンストロボのガイドナンバー表記

Nikon SB-900のガイドナンバーは34
Canon 580EX2のガイドナンバーは58


数値が大きく違うものの、実際の発光量は「ほぼ一緒」
ではなぜ数値が大きく違うのか?

それは同一の照射角で表記していないから
照射角が違うので、ガイドナンバー値が大きく違っているんです。

上の比較画像を見た方なら分かると思いますが、照射角度が違えば光の強さが変化するので同じ土俵の数字ではないですよね。

同一照射角でキヤノンとニコンのストロボを表記すると?

照射角度によってガイドナンバーが変化することは以下の表を見て頂ければよく分かります。
これはニコンのSB-900の取説に載っているガイドナンバー表です。
基本は全てISO100での表記になっています。

発光量に対しての照射角度によってガイドナンバーが大きく変化することがよく分かります。

ニコンとキヤノンを同じ土俵で戦わせるとすると
105mmの時にキヤノンは58で、49.5になります。(上記の表を参考)
ただし、ニコンは中央部重点配光という照射方法がありますので、これでみると105mmの時は53になります。

この様に、ガイドナンバーを比べるときには同じ照射角度で比較しなければいけないことがよく分かります。
そのことを守ってニコンとキヤノンのガイドナンバーを比べてみると

Nikon SB-900 VS Canon 580EX2

35mm照射角の時105mm照射角の時
Nikon SB-900 ガイドナンバー34Nikon SB-900 ガイドナンバー53
Canon 580EX2 ガイドナンバー36Canon 580EX2 ガイドナンバー58

上記のような結果となり、ほぼ同等のガイドナンバーであることが分かります。
少しむずかしい話になってしまいましたがまとめると以下のようになります。

ストロボ購入時のガイドナンバーの目安

最近はカメラメーカー純正品でなくとも、GODOXやNeewer、YONGNUOなどから安くて良いストロボが出ています。
ストロボはガイドナンバーだけで選ぶものではありませんが、ガイドナンバー値はストロボ選びで最も重要視される項目であることは間違いありません。

ニコンやキヤノンなどでバウンス撮影なども可能なプロ用として販売されているストロボのガイドナンバーは一つの目安となると思います。
GODOXやNeewer、YONGNUOなどのストロボでは“ISO 100、105mm”での表記が基準になっているようです。
それを考えると、ニコンやキヤノンのプロ向け製品だと50~60程度になっています。
ですので、“ISO 100、105mm”で50~60程度のガイドナンバーがあれば充分多くのシチュエーションで活躍してくれるストロボと言えそうです。

ただ最近のカメラはISO感度を上げてもノイズが出にくくなっていますから、ストロボに大光量を求めなくなっている現状もあります。そこまで大きな光量が出せなくても、カメラの性能が良ければ問題ないシチュエーションも多いかも知れません。
大は小を兼ねるという言葉もあるので、発光量が大きいストロボがあると安心ではあるのですが。

まとめ

POINT
ストロボはレンズの画角に合わせて照射角が変化する

多くのストロボは照射角が変更できるようになっていて、レンズの画角に合わせて変化します。ズームレンズを使うとレンズのズームに合わせてストロボ内部で音がするのが分かると思います。

POINT
照射角の違いでガイドナンバーが変化する

ストロボの照射角が変化するとガイドナンバーも同時に変化します。
照射角が鋭くなるほど(スポット光)ガイドナンバーも大きくなります。

POINT
他のメーカーのストロボと比較するときには同じ照射角の値で確認する

照射角によってガイドナンバーが変化しますので、メーカー表記のガイドナンバーは照射角何度の値なのか確認する必要があります。同一の照射角で比べないとストロボの発光量は比較することは出来ません。

POINT
“ISO 100、105mm”で50~60程度のガイドナンバーが一つの目安

この程度のガイドナンバーがあればニコンやキヤノンのストロボ上位機種と同等のストロボと同じ発光量があるといえます。

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この記事を書いた人

Orcaのアバター Orca 管理人

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