デジタル@備忘録


ドローンの機体登録制度とリモートIDとは?100g以上にいつ変わる?

もくじ
1. 無人航空機の登録制度と登録記号の表示について
 1.1 リモートIDとは何か?
 1.2 リモートIDの開始時期はいつから?
 1.3 リモートIDの必要性
2. リモートID登録からID発信までの流れ
 2.1 無人航空機の登録内容
 2.2 リモートIDの発信情報等
 2.3 リモートIDはどうやって実装するのか
3. なぜ反対署名が起きている?
4. 議論になったポイントは?
5. 無人航空機の対象を100g以上へと引き下げることについて


1. 無人航空機の登録制度と登録記号の表示について

2020年の航空法改正により無人航空機に対する登録制度と登録記号の表示等の義務等が決まりました。(法律は令和2年6月24日に公布・公布の日から2年以内に施行)

法律により無人航空機の登録が義務付けられたわけですが、同時に「登録記号を識別するための措置を講じなければならない」とされています。
登録するだけでなく、表示する義務が生じてくるということですね。
そして表示するために使用されるのがリモートIDによる発信とされています。

リモートID等については省令(施行規則)が出てこないと詳細は分かりませんが、現時点で分かっている点や課題とされている点などについて書いていこうと思います。
参考とした資料には、それぞれリンクを貼りますので、正確な情報はリンク先でご確認頂ければと思います。
また順次新しい情報が出てくるかと思いますので、内容が古くなることも考えられます。その際には最新情報をご確認頂ければと思います。可能な限り最新情報を反映させるために更新しようとは思っていますが・・・。

参考:法案
概要(PDF形式)PDF形式
https://www.mlit.go.jp/policy/content/001333195.pdf
新旧対照条文(PDF形式)PDF形式
https://www.mlit.go.jp/policy/content/001333207.pdf

1.1  リモートIDとは何か?

リモートIDは、飛行中のドローンから登録記号などの識別情報やドローン等の位置情報等を発信し、関係者が情報を受信できるシステムのことです。

航空法が改正され無人航空機の登録が義務付けられました。当初は登録記号を無人航空機に貼り付けるだけなのでは?という予測がありましたが、実際には登録記号等を発信する必要があります。
個人的には車のナンバープレートに近いものなのかなぁと。
ドローンの電子ナンバープレートと呼ぶ人もいるようです。
登録記号を貼り付けるだけだと、上空を飛行している場合は目視で確認できないためIDを発信することで対応するようです。
登録記号等を受信できる関係者は警察官や重要施設管理者、航空局などが想定されているとのこと。

1.2  リモートIDの開始時期はいつから?

開始時期は登録義務付け開始と同タイミングの2022年6月を予定しているとのこと。
附則には所要の経過措置を定めるものとする。と書かれていますが、どのようなスタートになるのか気になるところです。

また、登録義務化(2022年6月予定)前の登録準備期間(6か月程度を想定)に登録を受けた無人航空機も経過措置として装着義務化の例外として扱うとの資料もあります。となると、2022年初頭には登録準備期間が開始となりそうです。
詳細は今後の発表を注視していく必要がありますね。

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参考:リモートIDの導入について(内閣官房小型無人機等対策推進室)令和2年12月10日


経過措置期間などの詳細は省令等で確認できるかと思いますので、今しばらく待ちましょう。

アメリカでは一足先に2021年4月21日からリモートIDが義務付けられました。
アメリカの場合、メーカーは18か月以内に遵守する必要があり、飛ばすユーザーは30か月以内にリモートIDを遵守する必要があるとのこと。
ユーザーにとっては2年以上の経過措置があるということですね。

ですので、日本でも制度開始から半年~1年程度は経過措置による猶予があるのでは?と思っていますが、まだもう少ししないと正しい情報は出てこないですね。

参考:UAS Remote Identification Overview


1.3  リモートIDの必要性

危険な飛行等を行っているドローンや許可されていない空域で飛行を行っているドローンを警察等が確認できるメリットがあると言われている。
原則としてリモートIDの登録・表示等をせずにドローンを飛ばすと違法になり、100g以上の全てのドローンに登録設置が義務付けられるとされています。
機体への内蔵または外付け機器を使用してリモート ID 信号を発信する必要があります。


2.  リモートID登録からID発信までの流れ

現在公表されている資料からリモートIDの登録から発信までの流れを確認してみようと思います。

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登録申請(有料を予定しているらしい)
   所有者等は国が開発するスマホアプリ等を使用して必要な情報を入力し申請(この時に本人認証や手数料の払い込みも行う)
登録記号等通知(国交省の審査あり)
発行された登録記号等をリモートIDのチップに書き込み
情報発信

 参考資料:小型無人機に関する関係府省庁連絡会議(第11回)資料3「リモートIDの導入について」から抜粋


2.1  無人航空機の登録内容

所有者は、氏名・住所等や機体の情報を申請し登録します。登録内容は以下とのこと。
  • 無人航空機の種類
  • 無人航空機の型式
  • 無人航空機の製造者
  • 無人航空機の製造番号
  • 所有者の氏名又は名称及び住所
  • 登録の年月日
  • 使用者の氏名又は名称及び住所
  • その他、国土交通省令で定める事項
※3年以上5年以内において国土交通省令で定める期間ごとにその更新を受ける必要がある


2.2  リモートIDの発信情報等

  • 国が発行する登録記号
  • 位置情報・時刻(緯度・経度・高度、時刻等)
  • 認証情報
  • メーカーが定める製造番号
(内蔵型にあっては機体の製造番号、外付け型にあっては外付け機器の製造番号)

<発信周期>
1秒に1回以上
<通信方式>
「Bluetooth 5.0」 等

参考資料
小型無人機に関する関係府省庁連絡会議(第11回) 配布資料等
資料3(別紙) リモートIDの基本設計


2.3   リモートIDはどうやって実装するのか

1つには内蔵型、2つめは外部機器による発信が想定されているようです。
DJIに関しては、機体のソフトウェアアップデートで対応出来そうな話が出てきています。

DJI法務担当副社長のBrendan Schulman氏が、その辺りのことはブログに詳しく書いています。DJIとしてはソフトウェアアップデートで、さらにアップデート自体は無料で対応する方向性を示していることが確認できます。
参考:FAA Remote ID: What it Means for You and Your DJI Drone


3.  なぜ反対署名が起きている?

いま課題とされているのが外部機器によるリモートIDです。
100g程度の小型機で外部機器を装着する場合に、外部機器が想定よりも大きくなってしまって実際には飛行出来ないのでは?との意見も出ています。

行政側から例として提示したリモートID機器の大きさが寸法2×5×10cm、重量100gだったらしく、火に油を注いでいる様子。
現在反対署名運動にまで発展しています。

詳細は一般財団法人 日本ラジコン電波安全協会の以下のページをご覧ください。
新航空法(ラジコンに係わる部分)反対署名活動ご協力のお願い


4.  議論になったポイントは?

令和2年12月3日に行われた、小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会(第15回)の議事要旨を読むと議論になったポイントを読むことが出来ます。
・登録対象範囲について
・リモートIDについて
・ホビー用ドローンについて

参考:小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会(第15回)議事要旨

正確な内容は上記リンクで確認して欲しいのですが、資料の一部を見てみようと思います。ざっくりした意訳内容はこんな感じです。

  • 無人航空機の対象を200g以上から100g以上に変更するには航空法施行規則を改正することになるが、100g以上に変更する根拠はなにか。
無人航空機の性能が向上し200g以下の機体でも屋外を安定的に飛行出来る機体が製造販売されるようになってきたのが理由。今後は事故等の被害が懸念されるため。

  • 200g未満100g以上のマイクロドローンにも登録対象を拡大する方向性だが、登録した機体全てにリモートIDの搭載を義務付けることに問題を感じる。100gの機体にリモートIDを搭載するのは現実的ではない。
リモートIDは目視の代わりに確認できる装置であって、小さなドローンであればあるほど、その必要性は高まるので取り付けをお願いしたい。一方で様々な意見があることは承知している。関係業界団体と議論し最終的な判断をしたい。

  • 米国ではホビーユースの機体を決められたエリア内で飛ばす場合は、リモートIDを義務付けない方向で検討中だ。日本でも事前に空域の届け出を行うことでリモートIDを外してもよいルールにしたらどうか。
ホビーユースか否かの線引きは困難だが、特定エリアにおけるリモートID取り付けの免除措置など一定の配慮を行い全体の制度を構築していきたい。


5.  無人航空機の対象を100g以上へと引き下げることについて

今回はドローンの登録制度とリモートIDについて書いてみましたが、私自身、不明確な部分も多々ありましたので書くことで再確認出来きたポイントが多かったですね。

100gからの登録となった点について発表された際はかなり話題になりました。あわせて小型無人機の対象も100gに引き下げる方向性が公開されたことから蜂の巣をつついたような状況に。

まだ省令(航空法施行規則)が出てきていませんので200g→100g以上への引き下げは決定されたわけではありませんが、ほぼほぼ決定かと思います。
国交省から出ているポンチ絵にも「施行にあわせて登録・許可承認の対象となる無人航空機の範囲を100g以上に拡大」と書かれていますからね。

このポンチ絵を見た人たちは、200gとなっている日本の規制対策として発売されたDJIの超小型ドローン「Mavic Mini」(199g)が対象になってしまうではないか~!と。

海外で発売されている「Mavic Mini」は200gを超えていますが日本特別モデルはバッテリーを小型化し199gを実現。
国交省の許可承認を得ずとも空港周辺など一部空域を除き飛行が出来ることから爆発的な人気を得ました。
ただ、「Mavic Mini」があまりに優秀であるがゆえに、規制の重量が下がったとも言える状況となりました。

諸外国では規制が250g以上となっている国もあって、なぜ日本は200gなのか。その疑問に関しては衆院の国土交通委員会で航空局長が説明しています。
その説明によれば、
落下したドローンが人体に衝突した場合に死亡する程度の被害が生じるリスクを考慮して、各国おおむね二百五十グラム以上を対象としていると承知
・我が国におきましては、地上の人や物等の安全を確保するため、より安全サイドに立ちまして、落下して人に衝突した場合に重傷以上となる衝撃力を考慮して、二百グラム以上の無人航空機を航空法の規制対象としている

より安全性を重視した結果が200g以上の規制となっているわけですね。

落下して人に衝突した場合に重傷以上となる衝撃力を考慮して決められていたとのこと。
では、200g以下であれば落下して人に衝突しても重症以上とならない?と考えてしまいますが、飛行高度が上がれば200g以下でも危険ということで引き下げられているのでしょうね。

ちなみに、今後200g未満のものも含めて規制対象としていくことも明言しています。参考にリンクも載せておきます。

登録制度が施行されるまでの間に国土交通省令を改正し、200g未満のものを含めて屋外を安定的に飛行できると認められる機体を規制の対象と検討。


今回は、リモートIDについて書いてみました。
意外と決まってないことが多いんだなという印象です。
1年後には始める制度で、それとともに無人航空機の対象も100gへと変わるようですから、結構大きな転換点ですね。この登録制度が始まれば次はライセンス制度ですからね。来年は色々と準備に忙しい年になるかもしれませんね。

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Orca
Posted byOrca


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