プロの必需品。ストロボの色温度を変化させるためのフィルター!作り方のご紹介

最近のストロボ(スピードライト)には、ホワイトバランスをとるために、ストロボ光の色(温度)変換用のフィルターが付属しているものがあります。
たとえば、ニコンのSB-800やSB-900を購入すると「SJ-1」・「SJ-3」というカラーフィルターが付属してきます。

このフィルターは、
・蛍光灯用-2種類
・電球用-2種類
・青色
・黄色
・赤色
・肌色
の計8枚セットになっています。

蛍光灯と電球用が2種類あるのは、蛍光灯や電球によって色温度の違いがあるため、1種類ではカバーしきれいないために2種類になっています。
このフィルターの使い道をご存知ない方もいるかも知れませんので、簡単に説明しておきます。

もくじ

なぜストロボにカラーフィルターを付けるのか?

電球を使っている部屋でストロボを使うと、電球の光とストロボの光が混ざり合うことになります。
 (電球の光は、約3200K。ストロボの光は約5500Kです。)
電球の光で灯されている環境光にストロボの光が勝てば、全体の部屋の光の色が均一になりやすいのですが、電球の光が強かったり、広い部屋の場合は、ストロボの光が隅々まで行き渡らなくて、ムラが生じたりする場合があります。
この時、ただ単にムラがおきるだけならまだ良いのですが、カメラのホワイトバランス機能が部屋の光の状態をうまく解析できずに変な色になってしまうことがあります。
また、ホールなどの広い場所では、手前側だけがホワイトバランスがほどよくとれて、奥のほうが強い黄色になることがあります。
これでも良いという考え方もあるのですが、全体的にホワイトバランスをあわせるためには、環境光にストロボの光をあわせる必要があります。
全体の色温度が均一になり手前から奥にかけてのムラがなくなり、色が統一されカメラ側のホワイトバランスもあわせやすくなります。
電球の灯ったホールなどで、ニコン純正の電球用フィルターをつけて、カメラ側のホワイトバランスを電球にして撮影すると、その効果が分かると思います。

ストロボの色温度変換フィルターの自作方法

最初、SB-800を購入したときにフィルターが付いているのを見て、やっとニコンも純正フィルターを出したか!と喜んだのですが、使ってみるとちょっと使いにくい。

SB-800の場合は、SB-900の時に採用されたカラーフィルターホルダーが付いていなかったので、フィルターを折って、前面の隙間に差し込むだけなのですぐに落ちてしまうし、あまり実用的ではありませんでした。

SB-900についているカラーフィルターホルダーについても使いやすいと言えるほどでは無いにしろ、改良の余地はあるかなと。と、いうことで私は数年前からストロボ用のフィルターは自作しています。

非常に簡単な作りのもので、ロスコのエフェクト・コンバージョンフィルターをパウチしてマジックテープを付けているだけです。
下の写真はロスコのエフェクト・コンバージョンフィルターをパウチしてちょうど良い大きさにカットしたのものです。

nikon-ストロボ用-フィルタ_004.jpg

色温度を変えるためにフィルターの濃度を決めます

最初は、ゼラチンフィルター(色温度変換用)を使って作っていたのですが、高いので、ロスコのものに変えました。
ゼラチンフィルターの場合は色温度変換フィルターはLBフィルターで、アンバーの場合はLBA。ブルーの場合はLBBで数値によって濃度が変わってきますよね。

ロスコのエフェクト・コンバージョンフィルターの場合は、アンバーの時には「A」。ブルーの時には「B」で同じく数値によって濃度が変化します。

以下はコンバージョンフィルターの変換値です。

色温度変換早見表 
Aバージョン/Bバージョン
  • A-1 5500K→5000K
  • A-2 5500K→4500K
  • A-3 5500K→4000K
  • A-4 5500K→3600K
  • A-5 5500K→3200K
  • B-1 3200K→3300K
  • B-2 3200K→3500K
  • B-3 3200K→3900K
  • B-4 3200K→4300K
  • B-5 3200K→5000K
  • B-6 3200K→5500K

スチールの場合に良く使うのが、A-5だと思います。
5500Kのストロボ光を3200Kという一般的な電球色に変化させることが出来るからです。

ムービーの場合は、基本はライトが電球色なので、室内で外光の入る場合にはB-3が通常の場合よく使われます。B-4やB-5を使うこともあります。

フィルターをパウチしてマジックテープを付ける

写真の自作フィルターに100円ショップで買ってきたマジックテープを付けるとこのように変化します。

上の写真は、ストロボ光を電球色に変換するためにA-5をパウチしてマジックテープを付けた自作フィルターです。
蛍光灯用に作ったものもあります。これはロスコのコンバージョンには無い色なので、CCフィルターを使っています。

nikon-ストロボ用-フィルタ_001.jpg

ニコン純正の物と比べて、パウチしてある関係上、非常に硬くコーティングされていますので、かなり荒っぽく使っても破れたりはしません。
また、マジックテープですので、取り付ければカメラを様々な角度に振っても外れることはありません。

ストロボにもマジックテープを付けて装着する

パウチしたフィルターにマジックテープを付けていますので、もちろんストロボ側にもマジックテープを付けておきます。
装着した感じはこんな感じです。少し幅が小さかったかな・・・。でも実用ではほぼ問題ありません。

nikon-ストロボ用-フィルタ_005.jpg

で、このマジックテープの良い点は、ストロボのヘッド部分の上下左右の全てにマジックテープをつけておけば、縦にも装着できる点です。

こうすることによって、完全にアンバーに色温度を変化させたくない場合に役に立ちます。
直にストロボを当てると真ん中だけアンバー色で左右が5500Kになってしまうので、バウンスさせると色がミックスされてちょうどよい感じになったりします。

nikon-ストロボ用-フィルタ_006.jpg

同じように、蛍光灯の場合も同じように装着します。

nikon-ストロボ用-フィルタ_007.jpg

蛍光灯の場合は、蛍光灯の色が蛍光灯の種類によって様々違うので、数種類作ることも考えられますが、外光が入ったりする場合や、蛍光灯と電球のミックス光。または外光と蛍光灯と電球光のミックス光など、状況によってかなり変化があります。

電球光の場合は、ホールなど外光が入らない場所で使われる場合が多いのですが、蛍光灯が使われる状況と言うのは、電球光が使われる状況以上に様々な状況が想定されるので、純粋な蛍光灯の色にフィルターを合わせても結局実際にはあまり役に立たないことが多いのが現実です。

なので、私は、電球用と蛍光灯用の、この2種類だけで乗り切ることが多いです。

たとえば、電球用と蛍光灯用のフィルターを下のように使うこともあります。

nikon-ストロボ用-フィルタ_008.jpg

上の写真の場合は、蛍光灯と電球光のミックス光の場合や、蛍光灯の部屋だけれども、壁面が黄色だったりする場合に役に立ちます。

いずれにせよ、環境光にストロボ光をすばやく合わせることが、結構求められることが多いので、このように改良して使っています。

本当であれば、ストロボ光と環境光とのミックス光でもホワイトバランスが綺麗に取れれば問題ないのですが、N社の場合はストロボ(スピードライト)を室内で使用した場合のみ、上手くホワイトバランスが取れない場合が多く、今後の、より良い改良を望んでいます。

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この記事を書いた人

Orcaのアバター Orca 管理人

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JUIDA無人航空機操縦士
第二級陸上特殊無線技士
アマチュア無線技士

プロフォトグラファー歴20年になります。ブログ歴は15年。写真やドローン関連を中心に気になる情報を備忘録として書いております。
d.bibouroku@gmail.com

コメント

コメント一覧 (4件)

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    すばらしい自作ですね! 自分でパウチをする方法またはお手頃でパウチをしてくれる業者をご存知でしたら教えてください!

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    カギコメさま
    コメントありがとうございます。
    最近は100均に行くと、特別な機械が無くてもパウチできるシートが売られていますよ(^^♪
    私は試したこと無いのですが、おそらく出来るのでは?と。
    ちなみにダイソーでは見たことがあります。
    おそらく普通の文房具屋でもあると思いますよ!試してみてくださいね。

  • SECRET: 0
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    ご返事ありがとうございます!自分でパウチできるシートがあるんですね。早速試してみます。

  • SECRET: 0
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    ライティングの色温度補正を調べててたどり着きました
    これからフィルターを買おうと思ってたところなんですが。パうチングしても大丈夫なもんなんですね。レンズやフィルターをべたべた触っちゃいけない感で思ってたので意外ですが、これ輪ゴムで止めるより簡単そうでいいですね(ブラケットの口の開き具合にもよるが)
    富士のMBフィルターは生産終了してるそうで、そうするととりあえずカラーメーター測定結果で出るCCフィルターの数値でやるしかないかーと思ってたんですが、ロスコってところに色んなのもあるし大きいのもあるんだな…と勉強になりました

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