ニコンの28-300レンズを使って実写レビュー比較。「AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G」

「AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G」の解像度は?

2010年に発売されたニコンの28-300mmレンズ。超ズーム領域を持ち一本あれば広角も望遠も撮影できてしまうマルチレンズですね。

もう10年近く前に発売されたレンズですが超ズームレンズとなると今でも現役レンズです。今では中古市場でよく見かけるレンズとなりました。中古レンズの購入を考えている方の為にも参考になれば幸いです。

ちなみに2019年現在は新品で10万円程度。
中古市場では5万円~8万円程度となっています。

FXフォーマット対応レンズでありながら、28ミリから300ミリまでカバーしてしまう驚愕のズームレンズ。
非常に簡易的ではありますがちょっとレンズのクセや解像能力が気になったのでテストをしてみました。

綺麗に撮影した写真を載せて「こんな綺麗に撮れますよ~」ってのはテストとして好ましくありません。地味な写真ですが真実を伝えられるようにテスト写真は派手な写真ではありませんがご了承下さい。

—重要—
あくまでも私の個人的な簡易テストですのでレンズの性能を正確に表現しているものでは無いことをご理解ください。

※壁面に貼り付けた紙面とカメラの光軸との平行性には気をつけたつもりですが、レールを使用したわけではありませんので厳密にいえば若干の誤差はあると思います。カメラの移動の際にはなるべく誤差が出ないように車輪付きのアートスタンドPRO77という機材にカメラを取り付けて撮影しました。
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28-300レンズを使って実写画像で比較

テストの方法は新聞の見開きを広角側と中間部分と望遠側の3つの焦点距離で撮影。
ピント位置は紙面の中心部分です。
それぞれ、F値を1段ずつ変化させながら撮影をしました。
撮影の際の光源は600W程度のムービー用ライトを4灯使用しました。
ISO感度は200で固定。画像サイズはLで圧縮はファインです。
下の画像のEXIFデータを参考に書いておきました。


メーカー名 : NIKON CORPORATION
機種 : NIKON D700
露出時間 : 1/320秒
レンズ情報 : 28.0-300.0(mm) F3.5-F5.6
レンズF値 : F5.6
ISO感度 : 200
レンズの焦点距離 : 28.00(mm)
画像幅 : 4256
画像高さ : 2832
コントラスト : 標準
彩度 : 標準
シャープネス : 標準

今回ブログでUPしたのは新聞全面のうちの天気予報部分です。
中心部分すぎても面白くありませんし、あまり端の部分を拡大してアラ探しをしても意味がないので、上記で赤く囲った部分を100%表示にしたものをご覧頂ければと思います。

拡大部分の写真には下の部分に使用したレンズの種類と画角、そして絞り値を明記しておきました。

最初に28ミリの最広角部分での撮影。絞り値は5.6です。
思ったよりも解像度が・・・。

ちなみに、価格とレンズの画角がまったく違うので参考にはなりませんが、超高級レンズである24-70のレンズを使って24ミリF4で撮影したものが下の画像です。

これは比べても意味が無いのですが一応参考までに。良いレンズを使うとこの程度までは写りますよ。という意味で。

しかし、28-300レンズも絞り込んで行くと結構解像度が上がります。
まずは1段絞ってF8

多少良くなっているのが分かりますが、一体どの程度まで絞り込むとベストなのか調べてみようと思います。

その前にメーカー側が発表しているMTF曲線を見てみてください。
以下の画像がそうです。

これを見ると、やはりワイド側が結構辛いのかなぁ~と。
曲線を見てデータを全て読み取ることは勉強不足で出来ないのですが・・・。

ただ、ワイド側は24-120のレンズなどと比べても若干弱いのかなぁ~と。反対にこれだけのズームレンズなのに望遠側のレンズの描写は良さそうです。

さて、ワイド側で撮影した画像の話題に戻ります。
絞り込んで行った画像を以下に添付しておきます。

F16まで絞り込むとかなり解像度が上がってきたのが分かります。

F22まで絞り込んだ画像を添付しましたが、私が試した撮影では広角側はF16程度まで絞り込むと、かなり解像度が安定しました。
室内撮影でF5.6程度を頻繁に使う人には多少辛いのかなぁ~という感想をもちましたが、28-300という驚愕のズーム機能だけに、妥協するところは妥協しないとこの値段では作れないのだと思います。

次に比較するレンズとして最も適しているのでは?と思われるニコンの24-120mmのズームレンズを使って最広角の24mmで同じように撮影してみました。

この画像を見る限りでは広角側の開放値でも28-300の28mmの解像力よりも勝っているように思います。
望遠側を120mmで止めているだけにレンズに無理が生じていないのでしょうか?
レンズマニアではないので詳しいことは分かりませんが・・・。

同じように24-120mmのレンズを絞り込んで行った物を添付しておきましたのでご参考にしてみて下さい。

次に、28-300mmレンズの焦点距離を105mmにして撮影した画像です。
F値は開放値の5.3にも関わらず、28mmで撮影した画像がウソのように綺麗な画像です。
100mm程度まで焦点距離を伸ばすと画像が安定してくるのかもしれませn。

ちなみに先ほどにも比較で出した24-120mmミリレンズの120mm側で撮影した画像です。F値はこちらも開放値の5.6。反対にこんどはこちらのレンズの方が解像力とヌケ具合ともに劣っているように見えます。

ちなみにf11まで絞った画像。

さて、ズームの最望遠側の300mmで撮影した画像です。F値は開放の5.6。
300mmにも関わらず私の想像以上に良い写り。
個人的な感想ですが、このレンズは広角側よりも望遠側を重視して作られたような気もします。

F8まで絞るとこんな感じ。

どんなズームレンズでも広角側と望遠側を比べれば、広角域のハジ部分は描写が悪くなります。
それは中心部から離れる分だけ距離の変化が大きいからです。
そのため広角側の端部分の解像度が悪くなるのは当たり前です。ただそのレベルがどの程度なのかを見て頂ければ幸いです。

今回のテスト結果で28-300のワイド側が弱いと言い切れるものではありませんが、ワイド側で使うときには他のレンズと比べて思ったのは比較的絞り込んだ方が残念な結果にならず良いかと思います。

24-120レンズの購入も検討している方は以下のエントリーも参考にしてみて下さい。

ニコンの新型24-120レンズを使って実写画像で比較してみました。24mmワイド側「AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR」

ニコンから発売された新型の24-120レンズをテストしてみました。開放から望遠までF4で固定と言う新型レンズ。気になるところです。

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この記事を書いた人

Orcaのアバター Orca 管理人

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アマチュア無線技士

プロフォトグラファー歴20年になります。ブログ歴は15年。写真やドローン関連を中心に気になる情報を備忘録として書いております。
d.bibouroku@gmail.com

コメント

コメント一覧 (2件)

  • SECRET: 0
    PASS: be563051f6a16232e3afb73f2c27fbe9
    現在28-300mmをメインに使ってるので、こういう実写データはとても参考になります。
    猫相手なので滅多にワイド側での撮影はなく、もっぱら寄れない状態で望遠として使用してます。
    D7000に装着で450mmまで伸びますから、そのボケ具合に惹かれてます。
    夏にTokinaの116を購入しましたが、私の用途に合わず手放しました。
    純正は高すぎるので、SigmaかTamronのワイドズームを購入しようかと考えてます。
    猫をワイドで撮るのも面白いですから~

  • SECRET: 0
    PASS: 9af45d0c03b7e608d8950ea019cafca6
    dejavuewordsさま
    コメントありがとうございました。少しでもご参考になったとは望外の喜びです。個人的な簡易テストですが少しはお役に立てているようで(~_~;)
    ワイドをあまり使用しない撮影スタイルならば非常に安い買い物だったのでは?と。
    今回のレンズに全てを求めるのは酷ですからね。使い方次第では非常に有用なレンズだと思います。

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