たまたま読んでいた読売新聞にニコン社長のインタビューが載っていました。
タイトルは「ネットが写真の可能性を広げます」というもの。
私が目にとまったのは木村真琴社長のプロフィール文章。
プロフィール内容を読売新聞から引用させて頂くと、
木村真琴 きむら・まこと 1974年早大院修了、日本光学工業(現ニコン)入社。2010年6月から社長◆癒やしの存在 愛犬。カメラが苦手で納得の写真はまだ撮れない◆ストレス解消法 車の運転。休憩せず500キロ走る
◆印象に残る仕事 ネガフィルム画像を電話回線で送る装置の開発。84年のサラエボ五輪で報道向けに披露した
(2010年9月2日 読売新聞)
上記の太字にした部分。印象に残る仕事としてネガフィルム画像を電話回線で送る装置の開発をあげていらっしゃいました。
私がカメラマンになった時は、すでに電送といえばトランスミッターという機械をつかっていて、ネガ電送機というのは社内に置いてあるだけで使ったことはありません。
ただ、写真をプリントせずにネガの状態で送れるという電送機が出来た当初は凄い衝撃だったようです。それまではプリントしたものやポラロイドをドラム電送機というものに巻き付けて電送していたそうですが、ネガの状態で電送できるとなるとプリント作業が不要になるわけですから、メチャクチャ身軽になるし時間も短縮できるということで物凄い発明として喜ばれたそうです。
それでも今から思うと非常に重たい機械で、たまたま社内にあったネガ電送機を持ち上げたときには、本当にこんなもの持ち歩いて現場に行ってたの?と疑いたくなるもの(~_~;)
昔と比べると自分がどれだけ楽に取材先で電送をしているのか思い知らされたのを覚えています。
ちなみに日本新聞博物館のサイトにネガ電送機の写真がありましたのちょっと拝借。
分かりやすいように画像に吹出しを付けておきましたが、右側の吹出しにネガ電送機とありますが、その下にある機械がネガ電送機です。
おそらくNT-1000という初期型のネガ電送機だと思います。
木村社長が開発したのも、このNT-1000だと推測します。プロフィール文章には84年のサラエボ五輪ように発表したと書かれていましたから、84年に発売されたNT-1000かと。
このNT-1000は、
初期型で、NT-2000やNT-3000など段々と小型化された後継機が発売されたそうです。
私が見たのが、どの型だったのかは今となっては分かりませんが重かったことだけはしっかりと覚えています(笑)
で、たまたま写真の左側に写っていた傘をひっくり返したようなパラボナがインマルサット通信装置です。この頃はメッチャ大きかったんですね~(~_~;)
今でこそ大き目の弁当箱のような形で小型化されましたが、昔は電送機プラスこんな大きなインマルサットをもって災害地や紛争地取材をしていたんですね~。凄いです。
パラボナ部分は受信アンテナだけで、それ以外に本体がありますから相当な荷物だったのでは?と思います。
話は戻りますが、こんな画期的なネガ電送機をつくっていた技術者さんが今のニコンの社長さんだったなんて、本当にニコンって技術者集団というか匠の集まりなんですね~。
職人魂みなぎる社長が率いるニコン!これからも素晴らしいカメラ開発を楽しみにしています。
時代を牽引してきたニコンだけに今後の新開発にも期待大です!
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