カメラ映像機器工業会(CIPA)が1日に2018年のデジタルカメラの出荷実績を発表しました。
以前もCIPA発表のデータを使ってグラフを作成しましたが2018年の12月分も出たことですし今回もグラフを作成してみました。
テレビ新聞等でもCIPA発表のデジタルカメラの出荷実績を記事にして報道していましたが数字だけ見てもイマイチわかりにくいので自分用にグラフにしているのですがグラフにすることで見えてくるものもあります。
国内でのデジカメの出荷台数はレンズ一体型もレンズ交換式も昨年よりも減少しています。キヤノンの社長が今後も出荷台数は減り続けるとの予想を語っていましたがグラフを見ても今後伸びていきそうな予感はしないですね。
総出荷額もグラフにしてみましたが、こちらも両方共に減少しています。レンズ交換式は微減に留まっていますが、これはミラーレスが若干伸びてきたことで下げ止まっているような感じかと。
世界全体でのデジタルカメラ総出荷台数を「一眼レフカメラ」と「ミラーレス一眼」とに分けて比べたグラフが以下になります。
これを見ると一眼レフカメラの出荷台数は2012年から下がり続けています。来年は更に下がるのでしょうが、ミラーレス一眼カメラに関しては昨年よりも微増しています。
巷ではミラーレス一眼カメラがメチャクチャ伸びているような印象を受けますが世界全体の出荷台数でみると一眼レフデジカメが下がり続けミラーレス一眼が微増している状況です。
ではなぜミラーレス一眼カメラが非常に伸びているような印象を受けるかといえば日本国内でのミラーレス一眼の出荷台数が他の国と比べると伸び率が高いからです。
ただ出荷台数ではなく総出荷額で比べてみるとミラーレス一眼の出荷額が2016年から一気に伸びてきて2018年では一眼レフカメラに追いつく寸前まで来ていることがわかります。
このグラフを見ると2019年は出荷台数では一眼レフを抜けなくても出荷額ではミラーレス一眼が一眼レフを抜く結果となりそうですね。
報道では国内ではミラーレスが前年比8.6%増の59万台となり、初めて一眼レフ(46万台)を上回ったと書かれていますが、2017年10月から2018年12月までの日本向けデジタルカメラ出荷台数を月別で表したものが以下のグラフになります。
このグラフを見ると国内では2018年2月からミラーレス一眼カメラが一眼レフカメラを抜いていることが分かります。それ以降は一眼レフの方が売れた月はありません。国内では昨年の2月以降はミラーレス一眼が一眼レフを抑えています。
ミラーレスはキヤノンやニコンがフルサイズの新機種を出して更に一眼レフとの出荷台数の差を広げているようです。
だた世界的に見た場合はまだ一眼レフの方が出荷台数が上回っていますが、ここへ来て欧州で変化が出てきました。
以下のグラフは欧州向けデジタルカメラ出荷台数の推移になります。
欧州で2018年12月に初めてミラーレス一眼が一眼レフを抜きました。ただ原因はグラフを見ても分かるように12月の一眼レフカメラの出荷台数が大幅に減ったことにあるようでミラーレス一眼が大幅に伸びたわけではありません。
次はアメリカでの出荷台数の推移になります。
アメリカではミラーレスが一眼レフを抜く様子はありませんが、2019年は大きな変化が起きるかも知れませんね。
最後に日本、欧州、米州それぞれのミラーレスと一眼レフカメラの出荷台数の比較が比較的見えやすい棒グラフを載せておきます。
これを見ると明らかにアメリカやヨーロッパよりも日本の方がミラーレスの比率が多いですね。ヨーロッパが今後は伸びてくるのか。
来年のこの時期にどんなグラフが出来上がるのか楽しみです。
ちなにもCIPAの発表した19年の出荷見通しは世界出荷で1690万台と12.9%の減少を見込んでいます。国内出荷は10.7%減の250万台と予想しています。
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