今やプリンターと言えばレーザープリンターやインクジェットプリンターなどのデジタル機器を指しますが、その昔???、暗室作業がメインだった時代においてプリンターと言えば暗室作業に従事する専門家のことを指していたのですよね。
私はフィルム時代からカメラマンをしていますが、暗室作業は残念ながら数年間だけの経験です。ですので暗室作業について語れるほどの経験も知識も持ち合わせていません。レベル的には自分の手を使ってある程度は狙った所に焼きこみや覆い焼きが出来る程度です。
しかし、暗室作業何十年という先輩方は、やはり職人芸の世界で私なんか逆立ちしても到底及ばない手さばきでした。
そんな時代のことを思い出させてくれる記事が各地で話題に。
Gizmodoで取り上げた記事が恐らくトリガーになって、各有名サイトで拡散されたマグナム・フォトのマスタープリンターであるPablo Inirioの仕事ぶり。
詳しくはこちらでお読み頂ければと思うのですが、毎度ながら忘れた頃に各地で定期的に取り上げれる暗室作業ネタは、色々な意味で初心に戻らせてくれます。
昔の写真雑誌を読むと、
ストレートプリントしたものにトレーシングペーパーを載せて、そこに鉛筆書きで焼きの指示をする方法などが紹介されていましたよね。
もちろん自分で焼きをする技術を持っているならば問題ないのですが・・・^^;
暗室作業で思ったのは、焼きの上手い人がプリントすると印画紙が輝いているように見えるんですよね~。私なんかペーペーでまだまだ下手だったので印画紙が泣いているように見えました(笑)
どうやったら、あんなに複雑な焼きが出来るのだろうかと夜な夜な練習していたことを思い出します。
ただ、あの時の悔しい思いが、Photoshopが使えるようになってから経験として生きてきたのかなぁとも。
昔はある一部分だけを焼きこんだり覆ったりという作業が面倒だったり難しかったりで、やりたくても出来ない!という状況下も多かったです。(時間的制約があって、1枚のプリントにそれほど時間をかけられなかった。)
それがデジタルになって時間短縮というか失敗しにくくなりました。ただ、どのように部分的に焼き込んでやれば良いのか、または覆ってやれば良いのかという判断はデジタル時代よりも暗室時代の時の方がシビアに学べたような感覚です。
一発勝負だったという意味でも今よりも一枚の写真を仕上げるのに真剣だったのかしれません。
今回Gizmodoで取り上げた記事に触れて、これほどまでに丁寧にメモ書きや指示があった上でプリントしていたのかと思うと驚きです。
そしてこれだけの複雑な焼きを毎回同じように仕上げられるのですからまさに職人芸です。
こうした貴重な資料を見ると、Photoshop上でどのように処理していくべきなのかも参考になるような気がします。写真に対する態度についても。
Lightroomでも最近はブラシツールが使いやすくなって段々と作業が行い易くなって来ていますしね。
写真がプリンターの手によって、まったく別次元の作品へと仕上がることを改めて再認識しました。
さあ、明日は写真美術館に足を伸ばしてみようかな。
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