写真家や画家が必ず一度は被写体(モデル)にしているものって何だか分かりますか?
そう、それは自分。写真用語で言うところのセルフポートレートです。
あのレンブラントもしかり。多くの画家が自画像を描いています。
写真家も自分のことを一度は撮影しているはず。
実は写真の神様と言われる木村伊兵衛氏が残したネガの中には自写象(セルフポートレート)が結構あったという話も聞きます。
木村伊兵衛氏のセルフポートレートで有名なのは、訪問先のドイツでライカフレックス1型を構えてホテルの鏡に向かって自分の寝巻姿を撮影したもの。
この時の写真は縦位置撮影が2枚。カットごとに縦位置の構え方が違うんですね。
一説には木村伊兵衛氏はセルフポートレートを撮影しながらカメラの構え方を研究していたのだとか。
縦位置で構える時って、確かに右手が上に来る構え方と脇を閉めて撮影できる右手が下に来る構え方の2つがありますが、皆さんはどちらで構えますか?
私はストロボのヘッドの位置を考えて構え方を変えますし、レンズの大きさによっても変えるので両方の構え方で撮影します。
あと記者会見会場などカメラマンがごった返す場所では脇を閉めて撮影ないと他人に迷惑かかりますしね。TPOに合わせて変えるのが普通だと思います。
木村伊兵衛氏が構え方の練習をしていたかどうかの真相は誰にも分かりませんが、木村伊兵衛氏でさえ構え方の練習をしていたと思えば自分の写真撮影に対する姿勢も変わってきます。もっともっと努力しなくちゃって。
木村伊兵衛氏の撮影している姿を一度だけNHKの番組で見る機会がありましたが、まさに西部劇でガンマンがホルスターから銃を取り出してトリガーを引くかのような素早さ。
撮影されたほうは、撮影されたことにまったく気が付かない・・・。恐るべし撮影技術です。
それもオートフォーカスやAEがついてる時代じゃないですから。
そんな神業的撮影手法は日々の鍛錬から生み出されたものだったのかも知れませんね。
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