劇的に写真のノイズを除去する方法。コンポジット合成によるノイズ除去。フォトショップでも可能です。

複数の写真をコンポジット(合成)してノイズを除去するという方法です。

ノイズだらけの1枚の写真のノイズを除去する方法では無く、暗い場所で三脚も無くて手持ちで高感度設定で撮影せざるを得ない場合などに使える方法になります。

まあ、普通の方法では無いので、ある程度覚悟して(笑)読んで頂ければと思います。

1枚のノイズがある写真のノイズを除去する場合には、通常のノイズ除去ソフトを使うことをおすすめします。無料だとNeat Imageなどがお勧めです。そちらに関しては別途記事を書いていますので、そちらをお読みください。

フリーの画像ノイズ除去ソフトなら「Neat Image」のデモ版!

話は戻って合成によるノイズ除去について。
コンポジット合成って言葉は天体写真を撮影する人達の間では良く知られている言葉ですが、これがノイズの除去に応用できるとは思いませんでした。

もったいぶらずに、早く話を進めろ!という声が聞こえてきそうなので、どのような写真へと変貌を遂げるかを・・・。

ノイズ除去前の写真がこちら。


ISO6400から、さらにHi2の設定をしたので、
ISO25600相当のISO感度になっています。

無理やりノイズが出るように撮影しました。
さてさて、この写真をある方法で加工すると以下のような写真に大変身。

どうでしょうか?
マジ驚きです。

では、種明かしを。

この写真、実は20枚の写真を合成させてノイズ部分だけ除去させたんです。

もとの写真は、20枚ともにノイズだらけ!

しかし、ある方法で合成させるとノイズが除去されて合成されます。
これを、巷ではコンポジット合成によるノイズ除去と言うとか言わないとか(笑)

私は、上の写真をフォトショップの機能でノイズ除去させましたが、結構手間がかかるのとある程度の知識が必要なので(難しくは無いですが)専用のソフトを使うことも出来ます。

専用ソフトがどのような方法で除去しているのか、大体想像がついたので、フォトショップで似たような処理を行いました。

処理後の画像の違いはほとんどありませんが、専用ソフトの方が圧倒的に早いです(~_~;)

フォトショップで処理するのは面倒かも。アクション作っちゃえば楽かな?まだ試していませんが。
フォトショップの場合はこんな感じでレイヤーが重なりますから・・・。

私の独自で考えた処理方法ですと、元画像プラス2枚のレイヤー出来るので、今回の写真は全部で22枚のレイヤーで完成しております。

あまり、もったいぶっていると閉じられそうなので(~_~;)
専用ソフトのご紹介を。

Photoacuteというソフト。
http://www.photoacute.com/

このソフトはノイズ除去以外にも色々と出来るようですが、まだそれほど試していません。
無料で試用版としても使用可能です。ウォーターマークは入りますが処理は同じですから気になった方は試してみてください。

上の元画像をこのソフトで処理すると、以下のような感じになります。
左側が元画像の中の1枚。右が処理後の画像です。

フォトショップで処理するよりも圧倒的に早い!!!

20枚もの写真を合成するわけですから、フォトショップでは写真の位置を整列(手持ちで撮影したときには位置がズレるのでそれを位置調整する)が必要ですが、このソフトは、それも同時に行ってくれます。

まあ、$119しますので、フォトショップでの処理よりも楽でなくちゃ(^^♪
ただ、このソフトはレンズ等に縛りがあるようで、違うレンズで撮影したものだと処理するときに画像が多少湾曲したりしてしまいます。

ただ似たようなレンズを選択すれば一応処理できます。

では、フォトショップでの処理とPhotoacuteでの処理を比べてみようと思います。

こちらがPhotoacuteでの処理↓

そして、下の写真がフォトショップでの処理です。

まあ、完全に同じとまでは行かないかも知れませんが、ほとんど専用ソフトと同等の処理がフォトショップでも行えることが分かります。

で、このフォトショップでの処理後の写真をノイズ除去ソフトであるNeatImageでさらに処理をすると、元画像からは考えられない綺麗な画像へ大変身します。

上の写真はクリックすると拡大します。

写真に説明書きを書いておいたので見て頂ければ分かると思いますが、素晴らしい変化ですね。

まあ、ウラ技的な部分がかなりある方法ですが・・・(~_~;)

天体写真は合成することが当たり前の世界ですから、こういった合成によるノイズ除去も抵抗無く存在するのでしょうね。

あくまでも、この方法は写真の合成です。
同じ写真を数枚~数十枚撮影して良いとこ取り(^^♪

使用するときには、やっぱり「合成処理しています」とか書かなくちゃダメかなぁ。

ただ、PECさんも仰っているように、手持ちでしか撮影できない場所で、どうしてもスローシャッターになってしまう場合などは、ノイズが出ることを承知でISO感度を上げて、高速シャッターで何枚も同じ写真を撮影。

結果としては、ノイズレスの写真が手持ちで撮影できる!

ってな具合に活用出来ますね。

デジタルになってから、撮影の手法など完全に頭を切り替えなくてはいけないかもしれませんね。

ただ、この手法はカメラ本体にも簡単に装着出来そうですね。
今はコンパクトデジカメでも1秒に10コマ撮影とかありますから、明るさの暗い場所では、自動的に10枚~20枚の写真を撮影して、合成処理してノイズレスの画像を生成させることは簡単のような気がしますね。

おっと、フォトショップでどういう処理をしたのか書くのを忘れていました。

種明かしすると専用ソフトのPhotoacuteが売れなくなるかな(~_~;)
フォトショップの場合はレンズに縛りも無いですし・・・。

先ほどの写真をもう一度使いますが↓

同じように撮影した写真を(ここでは20枚ですが)レイヤーで重ねます。
LightRoomからでしたら、複数枚の写真をレイヤーで開くことも簡単ですよね。

もちろん、開いた写真を一枚ずつ重ねていっても同じです。

で、開いたレイヤーを全て選択して、レイヤーの整理を行って、位置を調整して合わせます。

これで準備はOK。

まず、レイヤーを重ねたときの描画を「カラー比較(明)」で全て統一します。

そして、全て統一させた画像を一度すべて結合させて、あらたな一枚のレイヤーを作成します。
これで、レイヤーは21枚になりました。

次に、レイヤーを重ねたときの描画を「カラー比較(暗)」で全て統一します。
そうしたら、その20枚のレイヤーを、またあらたな一枚のレイヤーを作成します。

これで、レイヤーは22枚になりました。

統一させた2枚のレイヤー以外は、もう意味を持たないので捨てても構いませんが、そのままでもOK。

「カラー比較(暗)」と「カラー比較(明)」の2枚のレイヤーが出来上がりましたが、上のレイヤーの透明度を50%にして完成です。

フォトショップ初心者の方はチンプンカンプンかもしれませんが、使い込んでいる方はお分かりになったかと思います。

もしも、意味分からん!

ってな人が多ければ、もう少し詳しく解説します。要望があればですけど・・・(~_~;)

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この記事を書いた人

Orcaのアバター Orca 管理人

Nickname : Orca   
Gender : man 
My job : Photographer,Drone Pilot

CERTIFICATION
アドビ認定Photoshopエキスパート(ACE)
JUIDA無人航空機操縦士
第二級陸上特殊無線技士
アマチュア無線技士

プロフォトグラファー歴20年になります。ブログ歴は15年。写真やドローン関連を中心に気になる情報を備忘録として書いております。
d.bibouroku@gmail.com

コメント

コメント一覧 (4件)

  • SECRET: 0
    PASS: c32a6ef60f6ed07ae320be5da2216a62
    こんばんは、ご紹介ありがとうございます。
    Photoacuteを使うときのレンズの種類ですが対応レンズではないものを使う場合、「Correct image geometry」をoffにしておけばOKだと思います。私は通常一番上のAuto-crop outputのみONにチェックを入れてます。
    それとコンパクトカメラの件ですが、最近のSonyのCybershotにはこの方法によるノイズ除去機能がカメラに内蔵されてます。

  • SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    PECさん
    こちらこそ、素晴らしい情報ありがとうございました。
    コンポジットというと、天体写真という固定概念があって、試しておりませんでしたが、こんな結果になるとは驚きです。
    フォトショップでも処理できることが分かったので、今後、さらに処理をカスタマイズして行こうかと思っています。
    既にコンパクトカメラで実装されていたんですね。
    私の先輩でソニーのコンパクトを持っている方がいて、夜景のノイズが少ないと言っていたのはは、その技術だったのかもしれません(^_^;)
    レンズが対応している時の対応など勉強になりました!
    ありがとうございます。
    ちなみに、専用ソフトで処理できる枚数の上限ってあるのでしょうか?
    > こんばんは、ご紹介ありがとうございます。
    > Photoacuteを使うときのレンズの種類ですが対応レンズではないものを使う場合、「Correct image geometry」をoffにしておけばOKだと思います。私は通常一番上のAuto-crop outputのみONにチェックを入れてます。
    > それとコンパクトカメラの件ですが、最近のSonyのCybershotにはこの方法によるノイズ除去機能がカメラに内蔵されてます。

  • SECRET: 0
    PASS: e66b2799a8cefd928845834c90be1fd3
    たまたま検索で辿り着きました。
    凄い!これこそコンデジ使いの私がずっと求めていたことです。
    しかもかなり最近の記事ですね。Orcaさんがこの記事を書くのが遅ければ諦めていたでしょう。貧乏性なので。
    勢いでさらに調べるとRegiStax5というフリーソフトがありました。
    これも素晴らしい。試してみたので写真アップしてみます。
    http://picasaweb.google.co.jp/ralitphoto/RegiStax5?feat=directlink
    ブラウザ上で等倍表示出来ないようなので、もしよかったらダウンロードしてみて下さい。
    元画像はこれでもISO100です。大センサーサイズのカメラが欲しいです。

  • SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ralitさん
    お役に立てたようで良かったです。
    また、新しい情報をありがとうございます。
    45枚コンポジットの写真が増えていますね♪
    私もフリーソフトを今度試してみようと思います。
    コンデジはノイズが出やすいですから、限定的な使い方になってしまうかもしれませんが、面白い写真も撮れそうな気がしますよね。
    ISO400の45枚は縮小画面でも差が一目瞭然。
    でも45枚を毎回やろうとすれば大変ですね。
    これから先、コンデジはどんな風に進化するのか!楽しみです。

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