オリジナル写真(ヴィンテージ・プリント)のデジタル復刻版が高額(約4913万円)落札
写真家さんにとっては非常に興味深い記事がありました。世界のアート市場を取材して記事にしてくれているThe Short Epicの記事。
この記事は写真業界やアートの世界に身を置いている人は一読しておくことをオススメします。
どういうことかと言うと、有名な写真家にウイリアム・エグルストンという方がいるんですが、その方が昔販売したオリジナル写真(ヴィンテージ・プリント)のデジタル復刻版を販売したらメチャクチャな高額(約4913万円)で落札されました。
エグルストンのヴィンテージ・プリント(ダイトランスファー作品)購入者が裁判
このことに対してエグルストンのヴィンテージ・プリント(ダイトランスファー作品)を購入していたコレクターがエグルストンを訴えたわけです。
なぜ?と思うでしょ?
問題なのは、ダイトランスファー作品はナンバリングが打ってあって、市場に出回るオリジナルの枚数が決まっているわけです。なのでオリジナルの価値が生まれるわけですが・・・。
それをデジタルプリントで複製したことで自分の持っているオリジナル写真の価値が下がったとの訴えが起こされたんです。
偽物が本物の価値を超えた瞬間
通常は銀塩プリントというか、ダイトランスファーのようなアナログ的なプリントが価値あるものとして重要視されてきたのですが、今回はデジタルプリントされたいわば偽物の作品が超高額で落札され、オリジナルのヴィンテージ・プリントの価格を上回ったことによって問題化しています。
これって今まででは考えられない事例ですよね。今後はこういった問題が増えてくるかも知れません。非常に面白い記事ですので一読してみて下さい。この事例は他にも危惧することがあるそうですが、詳しくは本文をどうぞ。
これからの写真とアートについて非常に考えさせられる一件です。
<参考記事>
エグルストンがコレクターに訴えられる!いまも続く単独オークションの衝撃
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