自作タイムグラファー!無料ソフトを使って機械式時計を計測 アプリもご紹介

もくじ

タイムグラファーとは?

タイムグラファーとは、時計歩度測定機(とけいほどそくていき)のことで腕時計や懐中時計の精度を測定する機器になります。一般的に時計検定機とも呼ばれていようです。
タイムグラファーを使うと腕時計の1日の誤差を数秒で測定することができるので、時計の精度を調整するのに使用されます。

その昔は時計の精度調整は1日がかりだったそうです。タイムグラファーが登場したことで短時間で精度調整することが可能になったんですね。
タイムグラファーが登場したての時には、非常に高価で統計店でさえ導入するのに躊躇する金額だったようですが、今では2~3万円のものが出回るようになりました。
しかし本格的なものになると今でも50~60万円はするようです。
仕事で使うならともかく、趣味の世界で、ちょっと高くて考えてしまう値段です。しかし、パソコンソフトでタイムグラファーを自作することも今では可能です。

パソコンを使うことで自作タイムグラファーが作れる

「びぶ朗」というソフトは、時計の音を聞き取れるマイクとセットで使うことでパソコンをタイムグラファーにすることができます。
ほとんどの方はご存知無いですよね。
タイムグラファーは、機械式時計の進み具合や、遅れ具合を音から瞬時に判断できる器械です。これをパソコンのフリーソフトで可能にしたのが「びぶ朗」

ただ、問題なのは、これはソフトであって、そのソフトを使うにはハードが必要になってきます。
ハードは、この「びぶ朗」専用のものも出ているのですが、2万円ぐらいするんですね。(今は発売していません)

びぶ朗 スターブラファー

 今では手に入れることが出来ませんが、実は100円ショップのものを使って、同様のものを作ることが出来ます。
ダイソーはこういうときに強い見方です(笑)

びぶ朗は開発中止 代替ソフトはTg – the open source timegrapher

「びぶ朗」は実は開発が終わっていてWindows11には対応していません。
しかし、Tg – the open source timegrapherというソフトで同じことができるようです。Tg – the open source timegrapherでも「びぶ朗」と同様に時計の音を拾うマイクが必要になってきます。
「びぶ朗」で使っていたものを流用できるとのことですので、今回はびぶ朗で自作した自作タイムグラファーのハード部分をご紹介しようと思います。
Tg – the open source timegrapherの使い方は動画が公開されています。参考にしてみて下さい。

時計の音を拾うマイクを自作してみた

マイクとして使用したのは圧電素子

まず、時計の音を拾うためにはマイクが必須。
このマイクは、様々な方々が試した結果、圧電素子が一番良いとのことです。
圧電素子と言うと聞きなれませんが、一番分かりやすいのは、防犯ブザーに使われるスピーカーです。

このスピーカーをマイク代わりにするわけです。
この防犯ブザーなどはダイソーなどの100均で売っているものを流用しました。

音を増幅するためのアンプも必要

圧電素子で捉えた音は非常に小さいので増幅装置が必要になります。
人によっては、この増幅装置に100均で売っている、集音器を使っている方もいるようですが、この増幅装置は、多少しっかりしたものが良さそうなので、これだけはヨドバシカメラにて購入しました。

マイクロホンアンプ「AT-MA2」という品です。これはポイントを使ったので、サイフは痛みません。

 

マイクとアンプを繋げて完成

さて、道具が揃ったところで、ちょっとした工作です。
圧電素子にモノクロのピンジャックの線を半田付けしてマイクとします。
そして、ジャックをアンプに差して、アンプからPCのマイクジャックに繋げば完成!

しかし、問題は、圧電素子を上手く時計の音を拾うように何かしらの方法で、時計にくっつけなくてはいけません。
人によってはテープで止めたり、輪ゴムで止めたりと色々あるようですが、とりあえず、今のところ私はちょっとした台に圧電素子をくっつけて、その上に時計を置けるようにしてみました。

この台も100均のダイソーで揃えました。
こんな感じになりました^_^;

この台も100均のダイソーで揃えました。
こんな感じになりました^_^;

右の画像に見える丸い円盤状のものが圧電素子です。
こ簡単に貼り付けているだけです。

時計を載せるとこんな感じ。

誤差ゼロの時計を目指して計測を開始

さて、この私の作った簡単な装置でもしっかりと測定できます。
しかし、自作の装置とは思えないような装置をつくるかたもいらっしゃいます。
こちらのサイトの方は、信じられないほど凄いものを作り上げられていてビックリです。
では、私が作った簡易装置で測定をしていきましょう。

最初に計測した結果は日差10秒ほどの進みが見られた

普通、中国製ムーブメントと言うと、1日の誤差が60秒!とも言われています。
良いものでも10~20秒ぐらいだと・・・。
と、言うことで、時計をびぶ朗で計測した結果、やはり10秒ほどの誤差が出ていました。

その結果が、下の画像です。
点で表された横線が一直線であれば誤差がゼロを意味し、
上方向に向くと「進み」
下方向に向くと「遅れ」
を表しています。

では、時計の緩急針をいじって歩度調整をしてみます。
ただ、時計というのは、縦にしたり、横にしたりすることで、進み方が変わって来ます。なので色々な角度で時計の進み具合を計測する必要があります。

姿勢差の違いを計測してみる

12時の部分を下にして、地面に対し垂直に立てた状態

6時の部分を下にして、地面に対し垂直に立てた状態

3時の部分を下にして、地面に対し垂直に立てた状態

9時の部分を下にして、地面に対し垂直に立てた状態

時計を平置きにした状態


これで、分かるように、時計の置き方、正確には姿勢差によって進み具合が変わって来ます。
この姿勢差による誤差を平均化して精度を高めようとしているのがトゥールビヨンと言われる機構です。

ヒゲゼンマイが縦の姿勢になると重力の影響を受けて動きに微妙な変化が生まれます。これが精度を落とす原因なんですが、これを天才時計師ブレゲが解決します。髭ゼンマイの姿勢を常に変えることで誤差を平均化させ制度を高めたんです。
機械式時計の複雑機構の一つで、このトゥールビヨンが一つ加わるだけで1000万円プラスになると言われていました。
ここで詳しくは書きませんが、つまり時計は姿勢が変わることで重力の影響を受けて動きに変化が生まれるということです。

とりあえず今回は平置きの状態で誤差ゼロを目指してみます。

微調整を何度か行い日差の誤差ほぼゼロに調整

何度か、微調整をした結果、なんと、下記の状態に!!!
ほぼ、誤差がゼロです。
クォーツ時計に迫る正確さが出ました。
中国製ムーブメントでも追い込んでやればここまで出来るということを証明できて嬉しいです。
10倍以上もするムーブメントと同等、もしくはそれ以上に正確な時計になりました。
中国製ムーブメントもしっかりと微調整してあげれば信頼できる時計になるのではないでしょうか?


熱膨張による誤差もあるので注意

誤差をほぼゼロに調整することが出来た機械式時計。しかし、確実に言える問題点がひとつあります。
それは、この日差ゼロに調整された時計ですが、姿勢差を抜きにしても、腕に付けると遅れ気味になるのです。
さて、これはナゼでしょうか?

原因は腕に時計を装着することで時計の温度が上がり動きが遅くなるのです。
暖房が付いていない寒い冬の部屋で誤差ゼロに調整しても、夏になると時計は遅れることになります。
誤差をゼロに調整しても、ムーブメントのゼンマイなどが気温差や体温により収縮することで時計が進んだり、遅れたりするのです。

試しに、誤差ゼロだった時計をドライヤーで暖めてみた後に計測したのが下の画像です。

熱膨張の為に、最初は急激に遅れていますが、次第に常温に戻りつつあるのか、平行に近づいています。
機械式時計って奥が深くて面白いですね~。

冬の時期に機械式時計を調整する場合は、腕に巻いた時のことも考えて、平置きの状態で多少進むように調整したほうが誤差が少ない時計になります。
ただ、グランドセイコーなどの特別に優秀な機械式時計は、この熱膨張も考えて対策をとっているようです。
どのぐらいの誤差に収めているかは実験していないので分かりませんが・・・。
ちなみに、熱膨張の高い物質といえば、水銀。なので水銀計が生まれたんですね~。
最近、よく時計に使われているステンレス鋼は水銀の6分の1の熱膨張です。
また、ステンレス鋼よりも熱膨張の少ないもので時計に使われているものといえば、チタン。ステンレス鋼の2分の1程です。
しかし、ゼンマイ部分をチタンで作るわけには行きませんからね~(笑)
ゼンマイと言えば、ゼンマイに使われる金属は非常に重要なんです。
この物質の収縮によって精度に大きな差が生まれるわけですから。

スマートフォンを使った簡易タイムグラファーアプリも存在

今回のエントリーを読んでタイムグラファーに興味をもった方もいらっしゃると思います。
びぶ朗のようにハードを揃えるのは面倒くさい。でも機械式時計の誤差は計測してみたい!
そんな方も多いかと思います。
実はアプリでもタイムグラファーが存在します。
Watch Tuner Liteというアプリです。
Liteという名前から無料かと思ったら800円ほどします。なので私は実際に使ったことがありません。

アプリの説明を読む限りはスマートフォンのみで計測できるようです。

説明概要

Watch Tuner Liteは、機械式時計と自動巻時計の精度を測定します。内蔵マイクまたはヘッドセットマイクを使用して、時計の音を録音し、秒/日の偏差を計算します。ほぼすべての機械式時計を計測出来ます。

静かな環境で使用してください。周囲の雑音は結果の精度に影響を与える可能性があります。完

推奨される使用方法は、ヘッドセットマイクで時計のリューズをタッチすることです。Apple純正のEarPodsを使用すると、最良の結果を得ることができます。

引用元:https://apps.apple.com/jp/app/watch-tuner-lite/id968820626

気になる方は使ってみて感想を教えて頂けると嬉しいです。
よろしくお願いします。

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この記事を書いた人

Orcaのアバター Orca 管理人

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プロフォトグラファー歴20年になります。ブログ歴は15年。写真やドローン関連を中心に気になる情報を備忘録として書いております。
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