写真家の言葉シリーズ「マンレイ」の第2弾をご紹介します。
「どんなカメラをつかうのですか」
と尋ねられると、
「どんな絵具と絵筆を使うのか画家に尋ねますか。どんなタイプライターを使うのか作家に尋ねますか」
と答える。
ともかく、私はカメラをある意味で補助的なものとしてしか見ていない。
-マン・レイ-
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アッジェの写真は食塩水で定着されているような粗悪な保存処理で、光にさらすと、すぐに褪せてしまうようなものだったとか。でも、アッジェ自身ははそれで構わないと思っていたらしいです。
謙虚と言うか、職業カメラマンに徹していたと言うか。
話をマンレイに戻しますが、マンレイの面白い逸話を一つ。
マン・レイが撮影現場にレンズを忘れて取った驚きの行動は?
ある画家を撮影するために機材を持って撮影現場に着いて、機材を組み立てていると重大なことに気がつく。
なんとレンズを忘れていたのです。
そこでマンレイが取った行動は今では想像もつかないことでした。
メガネの焦点距離が12インチだということを知っていたため、カメラのレンズの代わりにメガネをつかったらしいです。
結果は、ソフトフォーカスのきいた美しい写真が出来上がったらしい。
で、さらなる驚きは、ある画家ってのは「マチス」だったこと。
マンレイが「私はカメラをある意味で補助的なものとしてしか見ていない。」って言っていることを理解できる一つの逸話ではありますね。
現代においてもカメラマンは自分の撮りたい対象物に対して撮影しているだけであって、何も全て4×5フィルムで撮影しなきゃいけないとか、フィルムはこれじゃなきゃダメ。デジタルカメラはどのメーカーのレンズはコレ!で写さなきゃダメ!なんて固定概念は一度捨ててみるのも良いかも。
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