カメラアクセサリーの輸入販売やカメラ周辺機器等の開発を行っている有限会社アドプラスが8月3日付で熊本地方裁判所より破産手続の開始決定を受け倒産していました。
アドプラスと言えばKickstarterやキャンプファイヤーなどのクラウドファンディングでオリジナル商品の資金調達をしていたことでも有名です。そしてトイカメラ販売サイトで有名なGIZMONの代表をされている清宮さんが取り締まりをされていました。
中でも非常に注目されたのがiPhone用のカメラスタビライザ「Elephant Steady」。
iPhone内蔵のジャイロセンサー情報を解析し専用アプリが傾きを検知しながらモーターをコントロールし、iPhoneの傾きをリアルタイムで補正するという驚きのiPhone用ステディカムです。
しかし実際には開発途中で未だ製品は出来上がっていません。Kickstarterやキャンプファイヤーなどで資金調達して投資した人はKickstarterで672人。キャンプファイヤーでは264人。
金額にすると
・Kickstarterが770万円
・キャンプファイヤーが252万円
合計で1022万円を集めていました。
しかしながら今年の8月3日付けで倒産し事実上製品の完成は限りなく難しい状況になっている様子です。
もう少し早く倒産の告知は出来なかったのでしょうか?若干の疑問が残ります。
というのも、8月3日付けで倒産しているのですが倒産の直前に突然キャンプファイヤー内にて以下の様な返金に関してのお知らせが出ました。
返金の依頼は8月末までで2015年9月1日から返金処理を行うと発表されています。
しかしながら倒産に関しての情報は一切書かれておらず製品完成までに時間が必要なのでしびれを切らした人は返金処理をしてくださいといった意味合いなのかと思いました。
しかしながら次に発表された告知が以下の文章。
倒産から1ヶ月以上経過しているはずなのに倒産の文字は無く、アドプラスから別の会社へ引き継ぐことになったという話になっています。これは少し説明不足なのでは???
実際に引き継ぎ会社が本当に存在するのかも少し疑問に感じてきます。
そして倒産から三ヶ月経過してやっと倒産の情報が以下のように公式に発表されました。
9月29日時点ではiPhone用のカメラスタビライザ「Elephant Steady」の開発は別の会社に引き継ぐことになったと決定事項のように書かれているものの、11月のお知らせでは開発プロジェクトの引き継ぎ先が決定していないことを認めています。
倒産する1年前に「Elephant Steady」の資金調達を行い1000万円集めるも製品の完成を見ること無くお蔵入りになる可能性が濃厚かもしれません。ただ私は非常に楽しみにしており、まだ今の状況になっても最後の逆転満塁ホームラン的な発表を待ちたいと思います。もともとそのぐらいの気持ちが無ければ出資は出来ません。数多くのステディカム製品はあるものの、このステディカムが本当に製品化されれば他を圧倒する破壊力がありそうです。想像を超えるような製品に仕上がることを最後まで信じて待ちたいと思います。
しかし既にシビレを切らして返金申請している人が多いのも事実。9月1日から返金処理を行うとのことでしたが、それも予想を超えた人数だったためか返金処理の多くが滞っているようです。こうなる前にもう少し具体的な進展状況の告知等があっても良かったとは思います。
あえて厳しめに言うとKickstarterやキャンプファイヤーなどのクラウドファンディングに関しての信用性が著しく下がりクラウドファンディング業界そのものの発展を損ねる一因にも繋がる問題。
まあ、最初から夢を買う投資だと思ってパトロンになっている人がほとんどだと思いますから大きな問題にはなっていませんが、これが仮に最初から資金集めだけのゴーストプロジェクトで多くの出資者に返金できないとしたら詐欺であり犯罪にもなります。そういった誤解を生まないように正しい情報発信は大事かと。
クラウドファンディングを成熟した場にして行くためにはまだまだ時間が必要なのか・・・。
現在Kickstarter上でのコメント欄では返金された、返金されないとの話で完全に埋まっています。最初は応援コメントが多かったものの今はこのプロジェクトに対する疑問や怒りで満ちています。
写真業界そして映像業界に対しての信頼にも関わる話ですのでもう少し詳しい情報公開を期待します。
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