風景写真の巨匠と言われるエリオット・ポーターの言葉をご紹介。
まだカラープリントが主流でなかった頃、独自の研究でダイトランスファー法などを極めた努力家で、彼のカラープリントは有名です。
ポール・ヒル/トーマス・クーパー著の『写真術』を読むと非常に耳の痛い彼の格言が書かれていました。
その中で書かれているのは、カラープリントを極めた彼の元へカラープリント法を身に付けたいという若い連中が来て色々と聞かれることに対しの感想でした。
若い連中は彼に「そちらに伺いますからカラープリントの方法を教えて下さい」と軽く言うとのこと。
そんな若い連中に彼は「カラープリントの方法は、まず材料を手に入れてプリントすることだ」と言ってやるそうです。
簡単に教えてもらおうなんて思うな!という彼の暖かい若者への対応だったのでしょう。
そんな若者に対してのエリオット・ポーターの感想が非常に勉強になりました。
それが以下の部分です。
エリオット・ポーター |
出典:『写真術』 |
若い連中は近道をしたがるものだ。一夜にして成功を手に入れたがる。いいかげん嫌になる。 まだ20代で、いくらでも時間が、前途が洋々とあるというのに、勤勉に励めば方法を身につけることなどたやすいというのに。 けれど、そんなことはしたくない。どこかに秘法のようなものがあると思っているのだ。 |
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写真に近道はないよ!ということですね。
自分で勤勉に研究して少しずつでも地道に向上していくことの大切さを教えてくれています。
特に今はデジタルカメラの時代になって、クリック一つで写真に特別な効果を加えられるようになりました。
あたかも一瞬で普通の写真が素晴らしい写真に変身するかのように。
そんな秘法の様なことが実際に出来てしまう今だからこそ、このエリオットポーターの言葉が重みを増すのでしょうね。
ソフト一つやプラグイン一つで自分の写真の腕が上がるわけじゃないですからね。
根本的な所を忘れないように私も日々精進して行こうと思います。
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