Nikon D7000で長時間露光!ISO感度と露光時間を変化させてノイズの出方を検証

ニコンから発売されたデジタル一眼レフカメラD7000。様々な機能がパワーアップされているとのことで発売当初から爆発的な人気です。
たしかにこのカメラは撮影していて問題に思うような箇所はありません。

コストパフォーマンスに優れた素晴らしいカメラだと思います。
なので今回のような意地悪なテストもしてみたくなってしまう(笑)

基本は簡易テストですのであしからず。
どの辺りが簡易かといいますと、ちゃんとしたテストですと外気温や湿度を一定に保つことや、シャッターのインターバルには撮像素子が完全に冷えるまでの時間を取るなどの公平性が必要になるかと思います。その辺りの公平性はメーカーテストではありませんので行っておりません。


さて、巷で話題に上っているのはD7000の長時間露光時のノイズはどうなの?という疑問。
ここでいう長時間露光とは1秒や2秒ではありません。
最低でも30秒。テストでの最長露光時間は20分です。

ご存知の通りISO感度を上げると高感度ノイズが発生しますが、それと共に長時間露光によるノイズも出やすくなります。
で、ISO感度によってノイズの出方が変化するのであれば・・・
ISO感度別の実用範囲上限の露光時間はどの程度か気になります。

ちょうど今日あたりが極大と言われる言われている「ふたご座流星群」や今年や来年の観測しやすい皆既月食など天体ショーを撮影するには長時間露光時のクセを知っておくのは大事なこと。

(あいにく今日は曇りだったので、下の写真は以前フィルムで撮影した流れ星)

そこでISO200,400,800,1600,6400でテスト撮影をしてみました。
テスト撮影方法は、レンズにはキャップを付けた上で黒布の2重に巻いて遮光。
ボディのファインダーには黒パーマセルで何重にも遮光した上でカメラ本体にも黒布を巻いて遮光しました。

その上でバルブ撮影。露光時間はそれぞれの撮影によって変化いたします。各画像に表示されている時間を参考にして下さい。

全て画像は撮影データをLightroom3で100%表示した状態をキャプチャーしたものです。

ISO6400で2分間露光(長秒時ノイズ低減OFF)
・大量にノイズが発生しています。

ISO6400で30秒露光(長秒時ノイズ低減OFF)
・30秒ではあまり目立たないようです。100%表示ですので多少のノイズが見て取れます。

ISO3200で30秒露光(長秒時ノイズ低減OFF)
・ISO3200に感度を落として30秒露光にするとさらにノイズが減ります。100%表示にしなければほとんど分かりません。

ISO1600で2分間露光(長秒時ノイズ低減OFF)
・ISO1600程度まで感度を落とすと2分間程度の露光でも耐えられるようです。若干のノイズが見えます。

ISO800で10分間露光(長秒時ノイズ低減OFF)
・ISO800に感度を落としてみました。露光は10分。10分も露光するとさすがに大量のノイズが発生。

ISO800で10分間露光(長秒時ノイズ低減ON
・上の画像と同じ条件で撮影しましたが、長秒時ノイズ低減をONに設定。下の画像を見れば分かりますがノイズが綺麗に取れています。
しかし、長秒時ノイズ低減をONにすると、露光した時間分だけ処理に時間がかかります。つまり10分間の露光をすると、ノイズ低減処理に10分間の時間を所要。撮影後も10分間シャッターが切れなくなります。ノイズは消えますがシャッターが切れなくなるので、最終手段かと。

ISO400で5分間露光(長秒時ノイズ低減OFF)
・感度を400まで落としました。5分間露光。ノイズは発生しますが被写体によっては許せるか。

ISO400で2分間露光(長秒時ノイズ低減OFF)
・今度は同じ感度で2分間の露光。厳密に見れば2分でもノイズは発生していますがほとんど気にならない程度かと。

ISO200で20分間露光(長秒時ノイズ低減OFF)
・感度を200まで落として20分間露光。ノイズは発生します。

ISO200で5分間露光(長秒時ノイズ低減OFF)
・感度を200で5分露光。5分程度露光するならば感度は200程度まで落としたほうが良いのか、ISO400程度まで許せるのかは微妙な所か。
400からは減っていますが200でも出るものは出る。

長時間露光テストをしてみましたが、劇的に以前のカメラと比べて長時間露光時のノイズが減っているわけでは無いようです。
もちろん既に優秀なカメラが出回っているわけで、これ以上の劇的な進化は難しいのが本音なのかもしれません。星野写真を撮影される方は撮像素子を冷やす機器を取り付けて撮影されている方もいらっしゃいます。ノーカスタマイズのカメラでここまでノイズが低減されていれば素晴らしいかと個人的には思います。

ご自分のカメラで同じようなテストをされればD7000が優秀だということが分かるかと。

比べるカメラが無い方用に数年前発売されたD700の画像を載せておきます。価格的にはD700の方が高く、プロユースに作られているカメラだと理解したうえで比べて頂ければと思います。

簡単な「まとめ」としては、

  • ISO6400
    30秒程度が限界か。あまり長時間露光を行うと輝点ノイズだけでなく画像全体が赤く熱ノイズ的なものまで発生する。
  • ISO3200
    30秒程度までであれば、若干のノイズは入るがほぼOKラインか。
    6400の30秒露光と比べるとノイズは半分以下に。
  • ISO1600
    2分(120秒)程度ならばノイズは少ない。3200の30秒露光よりも若干ノイズが出ている。1分程度の露光ならばほぼ許容範囲かと。
  • ISO800
    10分露光で大量のノイズが発生するが長秒時ノイズ低減機能をONにするとノイズはほぼゼロに。ただノイズ低減機能をONにした場合には露光時間と同じだけ処理時間がかかりシャッターがその間は切れなくなる。
  • ISO400
    2分の露光でノイズはゼロに近い状態。完全にゼロではないが許容範囲かと。
  • ISO200
    5分程度の露光で若干のノイズが発生。ほぼ目立たないので許容範囲か。
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この記事を書いた人

Orcaのアバター Orca 管理人

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プロフォトグラファー歴20年になります。ブログ歴は15年。写真やドローン関連を中心に気になる情報を備忘録として書いております。
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