7年前の2006年の時点で既に実戦投入されていたNHKのバレットタイム撮影システム。実際にNHKの映像で見られた方も多いのでは?
今回海外で話題になっていたのでご紹介してみます。
海外で紹介されていたNHKへのインタビュー動画を見ると確かに2006年の試験投入時からシステムがかなり進歩しているようです。
メインのハンドルを動かすと連動して一斉に全てのカメラが動きます。今回の動画では9台のカメラが制御されています。
2006年に公開された時点では固定カメラで連動はしていなかったような気がします。複数のカメラを制御下に置くことがここ数年でさらに進化したのでしょうね。
この多視点ロボットカメラシステムはダイナミックに動く選手や広い空間で色々な場所にいる選手・被写体をバレットタイム撮影出来る画期的なシステムですが、一番凄い点はほぼリアルタイムに送出を出来る点にあるのだと思います。
動画を見ると素晴らしく綺麗に複数のカメラを制御出来ていると思うのですが、これでも多少の誤差が生じているとのこと。
このために単純に切り替えるだけだとなめらかな映像にはならないのでパソコンに取り込んだ上で誤差を処理しているらしいのですが・・・。
このシステムは撮影後に演算して書き出す速度が劇的に早いですね。
撮影終了から1分後には放送できてしまうというから驚きです。ほぼリアルタイム^_^;
動画の中でNHKの技研の方と思われる人にインタビューしているのですが、その中で以下のように話しています。
“我々はぐるっとビジョンと呼んでいるんですが、時間を止めて被写体の周りを視点をぐるりと回りこむような、そんあ映像表現を行うようなことが可能になります。
従来の方法では固定のカメラを用いているため限られた空間もしくは狭い空間を動く被写体しか撮影することが出来なかった。
しかし今回この多視点ロボットカメラシステムによってダイナミックに動く選手や広い空間で色々な場所にいる選手・被写体を撮影することが可能になり、それをぐるっとビジョンで表現できるようになりました。
どうしてもロボットカメラで撮影した映像は方向制御に多少なりとも誤差が生じているため単純に切り替えるだけだとなめらかな映像にはなりません。
そこで我々は撮影した映像をコンピュータ内に取り込んで仮想的に再方向性制御することによって支台の方向にカメラが仮想的に向くように画像処理を行いその映像を切り替えるような処理を行なっています。
撮影完了から約1分でぐるっとビジョンの映像を送出することが可能です。
まずはスポーツ番組の中継など撮影現場に持ち込んでスローに変わるような多視点映像表現・ぐるっとビジョンを行なって分かりやすく伝えていくようなことを今後していきたい。”
ぐるっとビジョンの特徴 (NHK技研公開2007から引用)http://www.nhk.or.jp/strl/open2007/tenji/t16.html
- 撮影システムは複数のハイビジョンカメラと収録・画像処理装置で構成
- 選手のまわりにハイビジョンカメラを設置し、その並び順に従ってカメラ映像を切り替えることにより、選手を中心にカメラが回りこむような映像を生成することが可能
- 選手が移動しても、同様の効果が得られる映像を作り出せる
- 選手の競技終了後から処理を開始し、1分程度でオンエアが可能
- 選手の動きを抽出して、選手の軌跡をいろいろな方向から表示することも可能
話題の動画はこちら
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