一眼カメラの円偏光フィルター(PL)の使い方・その1 ガラスの反射を抑える!
偏光(PL)フィルターというフィルターを知っていますか?
写真用品店に行くと必ず目にする有名なフィルターのひとつです。
偏光(PL)フィルターのPLは「polarizing light」(ポラライジングライト)の略で、通常はPLフィルターと略して呼ばれています。
各方面に振動しながら進む光を一定方向のみに限定して反射光をカットすることが出来るフィルターなんです。
オートフォーカスカメラの場合はC-PL(円偏光フィルター)を使用する
PLフィルターにはAF(オートフォーカス)で使用できるC-PLフィルター(円偏光フィルター)とマニュアルレンズカメラでの使用を前提としているPLフィルターがあります。
オートフォーカスカメラを使用する場合は若干価格が高くなりますがC-PLフィルター(円偏光フィルターともサーキュラーPLとも呼ばれます)をお使い下さい。安価なPLと書かれているだけの偏光フィルターの場合はオートフォーカスに狂いが生じる恐れがあります。
PLフィルターは反射光をカットすることが出来るフィルター
代表的な効果に「反射除去」効果があります。
簡単に言えば、ガラスに写る反射を抑えることが出来るんです。
どうやって使うかというと、下の写真のようにフィルターを回すことによって、反射光のカット量を調整することが出来ます。


難しい話よりも、実際にどう変化するのを見たほうが早いですよね!
では作例を御覧ください。



この2枚の写真はどちらもガラス越しに外の景色を撮影したものです。
ガラス越しで撮影すると、どうしても室内の様子がガラスに反射して映り込む場合が多いですね。
でも、こういった場面でPLフィルターが効果を発揮します。
同じ場所で撮影したPLフィルター有りの写真を御覧ください。
PLフィルター有りの作例・・・写り込みが減少
いかがでしょうか?
ほぼ完全にガラス面の写り込みが無くなりましたよね。完全には無くならない場合もありますが、それでも減少効果は非常に高いフィルターです。
1枚目のタクシーの中から撮影した写真なんて、外の景色が写りこみでまったく分かりませんでしたが、フィルターを使うことによって非常にクリアーな画像が得られました。
このように、ガラス面の反射や、水面の反射など、光の反射を抑えることが出来る素晴らしいフィルターなんです。
PLフィルターの注意点・露出に気をつける
ただ、注意点もあります。
光の反射を抑えるとサングラスのようにフィルターが黒くなります。
ですので、フィルター無しの時と同じ露出で撮影すると露出アンダーになってしまうんですね。
TTLオートで撮影している場合は気を付けなくてもカメラが調整してくれますが、マニュアル撮影の時には気を付けたいポイントです。
下の写真は1/100秒にシャッタースピードを固定してから「PLフィルター有り」「PLフィルター無し」で同じ明るさになるように撮影したもの。
明るさは同じですが、絞りの値が違います。
フィルターがあるほうが絞りが明るい値になっていますよね。1段半程度の違いになっています。


PLフィルターは反射光をカットすることが出来るフィルター
フィルターを回すことによって効果が変化する
フィルターがサングラスのように黒くなるので露出に気をつける
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