文化庁が6月27日に公布された著作権法の一部を改正する法律の「写り込み」等に係る規定について、具体的な内容が条文からだけでは分かりにくいとの意見等があったことから、趣旨及び内容の概要について解説ページを公開しました。
文化庁:いわゆる「写り込み」等に係る規定の整備について(解説資料)
写真を仕事にしている方は一読しておくことをオススメします。
解説しているのは以下の部分。
(付随対象著作物の利用)
第30条の2 写真の撮影,録音又は録画(以下この項において「写真の撮影等」という。)の方法によつて著作物を創作するに当たつて,当該著作物(以下この条において「写真等著作物」という。)に係る写真の撮影等の対象とする事物又は音から分離することが困難であるため付随して対象となる事物又は音に係る他の著作物(当該写真等著作物における軽微な構成部分となるものに限る。以下この条において「付随対象著作物」という。)は,当該創作に伴つて複製又は翻案することができる。ただし,当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該複製又は翻案の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は,この限りでない。
2 前項の規定により複製又は翻案された付随対象著作物は,同項に規定する写真等著作物の利用に伴つて利用することができる。ただし,当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は,この限りでない。
写真撮影やビデオ収録の際に背景に著作物が写り込んでしまった場合は著作権法上どうなるの?という部分の解説になります。
具体的な事例をいくつか挙げて解説されていますが、最終的には個別事例で色々と変化してくるでしょうから絶対的な例示にはなりませんが、文化庁が文章で具体的に解説しているので一読しておきました。
著作権者の利益を害するとは言えないケースは例えば次のようなケース。
つまり文化庁がOKラインとして線引したもの。
- 写真を撮影したところ,本来意図した撮影対象だけでなく,背景に小さくポスターや絵画が写り込む場合
- 街角の風景をビデオ収録したところ,本来意図した収録対象だけでなく,ポスター,絵画や街中で流れていた音楽がたまたま録り込まれる場合
- 絵画が背景に小さく写り込んだ写真を,ブログに掲載する場合
- ポスター,絵画や街中で流れていた音楽がたまたま録り込まれた映像を,放送やインターネット送信する場合
これらの場合は基本的にはOKとのこと。ただし最終的には個別具体の事例に応じ司法の場で判断されることになります。
このブログでは一部分だけの引用ですので確認のために必ず文化庁の解説ページを御覧ください。
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