夜景の撮影は時間帯によって見え方が大きく変わってきます。
一般的に日没後30分前後の時間帯に撮影するのが比較的好まれます。この時間をトワイライトやマジックアワー、ゴールデンアワーなどと呼ぶこともあります。(トワイライトは薄明という意味ですので30分前後というピンポイントの時間帯を指す意味では少し正確では無いかも知れません)
なぜ日没後30分前後が好まれるかと言えば、空の明るさと地上の明るさが同等程度の明るさになるため、空が明るすぎることも無く地上の建物が暗くなりすぎることも無い絶好のタイミングとなるためです。
この時間帯より前に撮影してしまうと空が明るすぎて夜景の雰囲気が出ず、遅くなってしまうと地上が暗くなりすぎてしまいます。(とは言っても好みの問題もありますから絶対にマジックアワーが良いとはいえません)
日没後の時間経過によって専門的には以下のような呼び方があります。
「市民薄明」・・・人工光が無くても人がギリギリ屋外で活動が出来る時間帯
太陽の高度が水(地)平線下マイナス6度まで
◎日没後~約30分間
「航海薄明」・・・1~2等星が見えてくる時間帯。航海薄明という名前は、空と水平線が識別でき、天文航法に必要な星が見えることから来ているらしいです。船の航行が可能な程度の明るさということですね。
太陽の高度が水(地)平線下マイナス6度~マイナス12度まで
◎日没後約30分~約60分
「天文薄明」・・・多くの星が見えるものの空に若干の明るさが残っている状態。天文薄明を過ぎると完全に空は暗くなり天体観測に最適な時間帯になる
太陽の高度が水(地)平線下マイナス12度~マイナス18度まで
◎日没後約60分~約90分
市民薄明の終わりのタイミング前後を写真業界ではマジックアワーやゴールデンアワー、ブルーアワーなどと呼んでいることが多いです。トワイライトというと広義的には薄明時間全てを指しますが、写真業界では市民薄明の時間帯をトワイライトの時間として呼ぶことが一般的な気がします。
図にするとこんな感じになります。
そしてマジックアワーはどの時間帯かというと、下の図の感じになります。
実際、この時間帯の差でどの程度の違いがあるのかですが、少しだけ参考になりそうな写真がありましたので貼り付けておきます。
日没10分後に撮影したものがこちら↓
まだ夜になりきっていないものの、人物をシルエットではなく表情も分かるように写す場合には最良の時間帯かと思います。
そして、日没30分後はこちら↓
空がうっすら明るい状態です。もっと綺麗に撮れるタイミングや気象条件があるのですが、参考画像としてはこれで勘弁してください。市民薄明時間の終わりのタイミングです。マジックアワーと呼ぶには物足りなさがありますね。ただ気象条件によって、この時間帯が非常にドラマチックな状況になります。
日没45分後になります↓
そらがかなり暗くなりました。市民薄明から航海薄明時間帯に完全に移行しています。
こちらの方が夜景っぽくて良いと感じる方も多いかも知れません。どういった夜景写真を撮りたいのか。それによって日没後何分目をメインの撮影時間にするのか決まってきそうですね。
撮り方といっても時間帯の話がほとんどでしたが、一番大切なのが場所や時間帯(時期含む)と気象状況。
カメラの設定はISO感度はなるべく低く、必ず重たい三脚を使用し、絞りは8~11位を目安にしています。
軽い三脚だとちょっとした風でブレるんですよね。ブレといったいらレリーズを使うのも便利です。シャッターボタン押す時に結構ブレるので。レリーズが無ければセフルタイマーを使用して撮影するとブレ防止になりますね。
軽い三脚しかない場合は三脚が風でブレにくくするためにストーンバックなどを吊り下げるのも手かと思いますが、ストーンバックなどがない場合は重たい荷物をバランスよく三脚に吊り下げておくと多少は良いと思います。
色々と試して良い写真を撮ってみてくださいね。
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