フィルムスキャナーより高画質で早い!デジタルカメラとES-2でフィルムをデジタルデータにしてみよう
Nikon D850でのフィルムデジタイズアダプター ES-2の使い方レビュー
先月発売されたフィルムデジタイズアダプター「ES-2」が手に入ったので使い方をざっと書いていきたいと思います。
結論から先に書いてしまうと、非常に高解像度でしかも短時間に手軽にフィルムカメラのデジタル化が可能です。フラットヘッドスキャナーとは比べ物にならない解像感でデジタル化が可能ですので、大量のフィルムがある方はこの為に購入に踏み切っても良いのではと思える一品です。
何しろ4575万画素の撮像素子で一瞬にしてデジタル化してくれるんです。ピクセルで表すと8256×5504ピクセルなります。
これだけ高解像度でフィルムスキャナーで読み取るとしたらどれだけ時間がかかるのか・・・。想像しただけでもゲンナリします。
またフラッドヘッドスキャナとは比べ物にならない解像感と解像度。これは一度試してみれば一目瞭然です。
「ES-2」をご存知無い方に簡単に説明すると、ES-2はネガフィルムやポジフィルムをデジタルデータに手軽に変換できる製品です。特にニコンのデジタル一眼レフカメラD850を使用することで本領発揮します。ネガフィルムもカメラ内でポジ変換してくれます!
このES-2は発売されてから非常に話題になって使っている人が既に多いのかな?と思ったのですがネット上ではまだあまり使い方含めて情報が出ていなかったので簡単にレビュー書いておきます。
というのも話題性はあるものの、D850での使い方の詳細がちょっと分かりにくい。ES-2本体の取扱説明書にもD850のフィルムデジタイズ機能の説明は一切書いてありません。D850の取説P51~P52に少し書かれているのですがES-2がまだ発売される前なので若干説明が足りない部分があるように感じます。
非常に素晴らしい製品だけにもったいない。
ES-2のキット内容
ES-2キットに入っているものは白い拡散板の付いたES-2本体とレンズアダプター2つ。そしてストリップフィルムホルダーとスライドマウントホルダーの5つになります。

上の写真はキット5点に加えD850本体とマクロ60mm f/2.8G EDレンズの7点になります。
キットそれぞれは以下の説明になります。
ES-2の説明書にレンズ名や説明文字を付加させたものになります。

ES-2で使用推奨しているレンズは以下の三本になります。
- AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED (62mm用アダプターAを使用して装着)
- AI AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8D (62mm用アダプターBを使用して装着)
- AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G (本体に直接装着)
もちろん上記レンズ以外でもマクロレンズであればシグマやタムロンのレンズでも最短撮影距離をクリアしていれば使用可能だと思いますがフィルターサイズが違うと装着できません。もしもお持ちのマクロレンズのフィルターサイズが62mmもしくは52mmでない場合、ステップアップリングやステップダウンリングを使って使用することになりますね。
実際に装着すると以下のような感じになります。
装着例と装着方法、組み合わせ

上の写真はAF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDレンズに62mm用アダプターAを使用して装着したものになります。
もしもこれが、他の推奨レンズだった場合は以下のような組み合わせになります。

ES-2とD850のセットがフィルムのデジタル化に優れている理由
さて、ここまでならば他の一眼レフカメラでも同じこと。このキットを使って他のカメラで撮影すれば同じじゃないか?わざわざD850を使用する必要性を感じません。
他のカメラの場合は、ES-2をカメラに装着して色評価蛍光灯の前や写真用のライトボックスの灯りを使って撮影すればフィルムをデジタルデータに変換することが可能です。ポジフィルムならばね。
そう、フィルムにはポジフィルムとネガフィルムが存在します。モノクロネガフィルム、カラーネガフィルムで撮影したストックが大量に眠っている方も多いのでは?
普通の一眼レフカメラでネガフィルムを撮影した場合は、撮影したデータをポジ画像に反転する必要があります。大抵はPhotoshopで反転させることになると思います。枚数が多いと大変ですよね。枚数が多い場合はPhotoshopでアクション作ったりドロップレットを作ったりしないと大変なことになります。
Photoshopでのアクション作成?ドロップレット作成?
なんのことやら?と思った方。D850にはそんな難しいこと考えなくても大量にネガフィルムをポジ画像に取り込める機能が付いています。
なのでD850とES-2の組み合わせでの使用がフィルムデジタイズ作業を楽にしてくれます。
つまりD850ではネガ画像も撮影時にポジ変換してくれる機能が付いているんです。それもライブビュー機能を使用した撮影方法なので背面液晶にはモノクロネガフィルムもカラーネガフィルムもリアルタイムでポジ変換してくれていて画像を確認しながら作業が可能です。
具体的な使い方
①ES-2をD850に装着②ストリップフィルムホルダーにモノクロネガフィルムまたはカラーネガフィルムを装填
③ES-2にストリップフィルムホルダーを挿入
④D850のライブビューボタンを押す
⑤ライブビュー状態になっていることを確認した上で「i」ボタンを押して「ネガフィルムデジタイズ」を選択
⑥「カラーネガフィルム」または「モノクロネガフィルム」を選択
⑦シャッターを切る
※明るさの調節は、「OKボタン」を押して明るさ補正画面にし、マルチセレクターやタッチパネルを用いて-5~+5の範囲で調節します。
これでリアルタイムで確認しながらフィルムのデジタル化が完了です。
ちょっと分かりにくい部分だけ写真を使って解説します。
⑤の「i」ボタンを押すと以下のような画面になり右側メニューの一番下にネガフィルムデジタイズが出てきますので、これを選択しOKします。
そうするとカラーネガフィルムとモノクロネガフィルムの2つの選択肢が出てきますので撮影したいフィルムに合わせて選択します。
すると画面にはポジ変換された画像が見えますので、どのコマを撮影すれば良いのかポジ画像を見ながら判断することが可能です。
手元にあったフィルムが仕事のフィルムだったので、ここでは反転されたフィルム画像を載せられないのがチョット残念。
で、実はD850のネガフィルムデジタイズ機能を使って撮影すると設定も自動で完了します。
ISO感度は強制的に100に。
F値も強制的に8になります。
測光方式は中央部重点測光に。
設定を間違ってフィルムを撮影することがなさそうなありがたい機能ですね。
たとえばISO3200設定にしていたとしてもネガフィルムデジタイズ機能を立ち上げた時点でISO100にしてくれます。そして機能をOFFにすればISO感度は3200に戻っています。素晴らしい。F値も8に固定されます。
また、ネガフィルムデジタイズ機能を利用して撮影した画像は、画質モードは全てJPEG(FINE*)で記録されます。
ポジフィルムに関してはピクチャーコントロールの設定をフラットにするのがニコン公式の推奨設定だそうです。ポジ画像に関してはネガフィルムデジタイズ機能を使う必要はありませんからRAWでも記録可能です。
ポジを撮影する場合はネガフィルムデジタイズ機能のように強制的にISO感度100やF8にはなりませんから、撮影時の設定には気をつけてくださいね。
【参考情報】
・ネガフィルムデジタイズ|D850スペシャルコンテンツ
・フィルムデジタイズアダプター ES-2 /ニコンイメージング
・ES-2取扱説明書
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