今回の太陽フレアは過去40年で28番目の大きさ! 決して過去最大級ではない!?地震との関係性は?
太陽フレアの発生が非常に話題になっています。今朝は太陽嵐による電磁波・粒子線・粒子などの地球到達を確認などと報道されています。
1975年以降の観測データに基づくと今回発生した太陽フレアは28位になります。
過去最大級などと煽っているサイトやニュースがありますが少し疑問ですね。
宇宙天気情報センターというのがあって過去の太陽フレアなどの情報を公開してくれています。
そのデータを元に記録されている過去の障害を入れ込んで表を作ってみました。(下部参照)
表を作っていて思ったのが、太陽フレアが強くても実際に地上に障害が発生しているケースは少ないこと。
過去最大級だった太陽フレアはクラスX28で衛星には影響があったようですが地球をかすめたのか地上への影響はなかった模様。
太陽フレアは低い方からA, B, C, M, Xの5つの等級に分類されており、Xが一番強く10倍ごと(1桁上がるごと)に1つ上の等級になるそうです。
2003年に発生したX17レベルの太陽嵐ではスウェーデンで停電が発生しています。
ただ太陽フレアによる太陽嵐の影響が発生規模と完全に比例するわけでは無いようです。太陽嵐をモロに受ける角度で地球に飛んできた場合にはクラスが比較的小さくとも地上への影響があるようです。
そちらの情報の方が実際は大事かと思います。大きい大きいと叫ぶよりも正確な情報を流して欲しい。
そうはいっても世界の電子情報網は毎年進化を遂げていますから少しの影響が大きな結果に繋がるかも知れない怖さはありますね。
しかしながら過去最大級だとかといって煽るのはどうかと。中には太陽フレアの発生と巨大地震は関係性があるという話も出てきていますがこれもどうなの?確かに今日メキシコ沿岸でM8クラスの地震が発生しました。
ただ太陽フレアって2014年にはXクラスが16回、Mクラスが205回も観測されています。これだけ観測されている太陽フレアと地震の発生を連動性があるといっても信憑性はないですよね。
トリガーぐらいにはなっている可能性はあるでしょうが。
煽りの情報に惑わされないようにご注意を。冷静に判断して太陽嵐が過ぎ去るのを待ちましょう。
以下過去の巨大太陽フレアの発生と障害 出典:宇宙天気情報センター http://swc.nict.go.jp/contents/
rank | 発生日 | クラス | 障害 |
1 | 2003/11/04 | X28.0/3B | 米国の火星探査機Mars Odysseyで太陽高エネルギー粒子による障害。 日本のこだま(Kodama)衛星が太陽高エネルギー粒子の影響によりsafe modeに。 スウェーデンで地磁気誘導電流(GIC)の影響による停電。 南アフリカで電力トランス焼損。 国際宇宙ステーションでも念のため避難が行われた。 |
2 | 1989/08/16 | X20.0/2N | |
3 | 2001/04/02 | X20.0/-- | |
4 | 2003/10/28 | X17.2/4B | 日本のこだま(Kodama)衛星が太陽高エネルギー粒子の影響によりsafe modeに。 スウェーデンで地磁気誘導電流(GIC)の影響による停電。 |
5 | 2005/09/07 | X17.0/3B | |
6 | 1978/07/11 | X15.0/1B | |
7 | 1989/03/06 | X15.0/3B | |
8 | 2001/04/15 | X14.4/2B | |
9 | 1984/04/24 | X13.0/3B | |
10 | 1989/10/19 | X13.0/4B | |
11 | 1982/12/15 | X12.9/2B | |
12 | 1982/06/06 | X12.0/3B | |
13 | 1991/06/01 | X12.0/1F | |
14 | 1991/06/04 | X12.0/3B | |
15 | 1991/06/06 | X12.0/4B | |
16 | 1991/06/11 | X12.0/3B | |
17 | 1991/06/15 | X12.0/3B | |
18 | 1982/12/17 | X10.1/3B | |
19 | 1984/05/20 | X10.1/3B | |
20 | 1991/01/25 | X10.0/SF | |
21 | 1991/06/09 | X10.0/3B | |
22 | 2003/10/29 | X10.0/2B | スウェーデンで地磁気誘導電流(GIC)の影響による停電。 |
23 | 1982/07/09 | X9.8/3B | |
24 | 1989/09/29 | X9.8/-- | |
25 | 1991/03/22 | X9.4/3B | |
26 | 1997/11/06 | X9.4/2B | |
27 | 1990/05/24 | X9.3/1B |